電波感度をよくするケータイ・スポット・アンテナの開発Blog

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ビル地下のボーダフォン3Gの電波感度改善テスト

2005.10.27

前回までは、FOMAの電波について実験してきました。今回から800MHzのau編を予定しておりましたが、昨日急遽ボーダフォン3Gのテストができましたので、2回にわたってFOMAと同じ2000MHz帯のボーダフォン3G携帯でビル地下実験を行うことにしました。
その後、auのアンテナ実験のレポートをします。
 
ビル地下への階段部分と地下(B1)のフロア通路での現状を調査しました。
 
【写真1】ビル前からボーダフォン基地局を望む
 
幸い、200mぐらい先に見通せました。
基地局が見通せるビル前で、RSCP値とEc/No値を測定してみることに。
写真1の場所でRSCPが−63.0dBm、Ec/Noが−7.0dBmと良好な条件でした。
ビルの1階部分での電波測定は以下の結果でした。【図1】参照
 
【図1】ビル周辺の電波環境(Vodafone3G)
 
ビル周辺の電波環境は【図1】のとおりRSCPが−63.0〜−82.3【dBm】、Ec/Noが−5.3〜−7.0【dB】と携帯電話使用において全く問題ありませんでした。
㈪の位置は基地局が見通せる場所で、他は見通しできない場所でした。
 
【アンテナを設置する前の現状の電波環境】
使用した携帯 V902T V802SH V802N V801SA
地上から地下への階段、地下通路を測定器で計測し、ボーダフォン3G携帯で発着信テストメールを行いました。
結果を【図2】に色分けしました。当日は店舗が営業していない時間帯に測定しましたので、階段および通路の測定になりました。
 
【図2】ビル内での電波測定結果(Vodafone3G)
  
【地下への階段部分の現状】
階段A・B・C・D位置
問題なく通話可能 発信着信とも良好だった。
アンテナピクトはA→3本 B→2本 C→2本 D→1本
RSCP −103.0〜−85.7dBm  
Ec/No7.3〜−5.7dB
階段E位置
発信はできるが、うまく着信しない。
接続率:発信100% 着信60%
 
アンテナピクトは0〜1本 圏外ではないが、音質が不安定です。
RSCP −104.1〜−98.1dBm
Ec/No11.3〜−10.1dB
品質:途切れを感じる。圏外ではないが着信しなかった。
 
【地下フロアの通路での現状】
 
通路A位置→圏外表示ではないが発信着信ともにできない。
アンテナピクトは0本〜圏外
階段より通路A位置に来ると一瞬通話は可能になりますが、すぐに音が途切れ、通話ができなくなります。
発信すると圏外になる。
RSCP −114.7dBm
Ec/No12.7dB
通路B位置→圏外表示になり携帯電話が使用できない。
RSCP −117.0dBm
Ec/No14.7dB
通路C位置→圏外表示になり携帯電話が使用できない。
RSCP −121.7dBm
Ec/No25.0dB
通路C〜E位置→圏外表示になり携帯電話が使用できない。
RSCP 圏外(受信できず)
Ec/No圏外
 
 
C位置での測定—アンリツエリアテスタ使用。このあたりで全く電波が受信できなくなりました。
FOMAの時と同じく、ボーダフォン3Gもこの地下フロアの通路では圏外になってしまい、全く使えませんでした。
ただし、このビル周辺では基地局との距離など、条件がFOMAの場合より恵まれていて、屋外アンテナを設置する場所の電波受信レベルは少し高めでした。
ボーダフォン3GサービスもFOMAと同じく、周波数帯が2000MHz帯のため、同じアンテナシステムが使用できます。パッシブ・リピート・アンテナを設置した後、スポットエリアにどう違いがでるかを次回レポートします。
 

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FOMA用パッシブ・リピート・アンテナの効果と改善点

2005.10.20

前回まで、FOMAが繋がらないビル地下での実験結果をお伝えしました。今回はその結果をもとにパッシブ・リピート・アンテナの改善点をまとめてみました。

今回の実験では、基地局が見通せる場所に屋外アンテナを設置し、そこから同軸ケーブルで35m引き伸ばして屋内のアンテナで再放射をしました。
圏外でFOMAが使えなかった地下通路において、屋内アンテナから5m先まで通話が可能になり、通話スポットの改善はできました。
 
 
一方、基地局を見通せない場所にアンテナを設置した場合は、改善スポットは屋内アンテナから3mほどのところまでになりました。
 
次に、ケーブルつきのアンテナだと1人しか使えませんが、今回のアンテナはワイヤレスアンテナなので
「同時に複数の人が使用できるか」が、ひとつのポイントでした。
同じ屋内アンテナの下で複数の人が同時に使ったら携帯同士で干渉してしまうかな・・・と思っていましたが、3人が同時に使っても全く問題なく使用できました。

また「電波の入る地上からアンテナを設置した地下へ移動した場合」や「複数の屋内アンテナの間を通話しながら移動したときに切れることなく使えるかどううか」もポイントでした。基地局とケータイの距離とか急激に環境が変化するため、通話が切れてしまうかと気になっていましたが、何事もなくスムーズに通話はできていました。 

今回の実験では、FOMAが圏外のところの改善はできましたが、基地局が見通せない場所に設置した場合、通話スポットの改善余地があるように感じました。見通せない場所に設置したときの3mは、ちょっと寂しい気がします。見通せない場合でも6mぐらいは使えるアンテナにできたらと思います。
それには、パッシブ・リピート・アンテナのシステムとしての効率をさらに上げないといけません。
パッシブ・リピート・アンテナの基本に立ち返って対策を考えました。
 
 
【図1】パッシブ・リピート・アンテナ
基地局の電波を入射アンテナが受信し、同軸ケーブルを伝って再放射アンテナから電波を出します。
 

 【図2】パッシブ・リピート・アンテナの距離と電界強度イメージ図

大雑把に言えば【図2】のイメージのように、入ってくる電波を入射アンテナの利得でより強くし、効率よく同軸ケーブルで再放射アンテナに伝えます。そして、再放射アンテナの利得を利用し、最適な方向に向け、FOMAが受信する電波感度を改善するアンテナシステムです。

つまり、通話距離を伸ばすには入射アンテナの利得(感度)を上げ入射電力を強くするってことです。
実験に使ったアンテナの大きさは約450×250×150mmですが、アンテナを大きくすれば利得(感度)は上がります。単純に考えたら2倍の距離を飛ばそうとすれば、利得は6dBほど上げる必要がありますが、
アンテナの容積は4倍にもなってしまい、とても現実的ではありません。
 


また、利得だけあげれば良いわけでないことも、今回の実験で分かりました。
アンテナを設置する場所は、基地局を見通せて直接電波を受信できるところと、見通せなくて回折してきた電波やビルに反射した電波を受信するところがあります。高層マンションなどでは直接見通せるでしょうが、都心のビルの谷間では見通せないところのほうが多いと思います。
基地局が見通せる環境では、アンテナの利得の高く、指向性の鋭いものが性能を発揮します。
建物などにあたった回折波や反射波だと、指向性が鋭すぎたら実験では逆に電波を効率的に受け止めることができませんでした。よって、指向性が鋭すぎず、なおかつ感度が高いアンテナが理想です。
同軸ケーブルを伝わる時の電力のロスについては、ケーブルの長さが長ければロスが多く、短いほどロスが少なくなります。
現状5D−SFAという同軸ケーブルで35mのばした場合、7dBの減衰がありました。
仮に実験した同軸ケーブルを35m→10mにすればロスが5dBも減り、通話距離に換算するとおおよそ2mぐらい伸びる計算になります。同軸ケーブルのロスをいかに少なくするかもポイントですね。

次に、室内側の再放射アンテナです。実験では【図3】のような環境でアンテナを天井から真下を向けた場合、携帯電話を使用できる範囲が狭かったので、水平方向よりに指向性アンテナを向けました。
 
また無指向性アンテナで試したところ、携帯が使えるような改善効果は確認できませんでした。無指向性アンテナは、全方向に電波を放射してしまうので電力密度が薄まってしまい、結果として携帯が受信する感度の改善ができなかったように思います。

パッシブアンテナでは、利得のある指向性アンテナを使わないといけないようです。
しかも効率よく、より広い通話スポットを作り出すために、利得の性能と指向性の両方のバランスをとる必要があります。

今回のビル地下FOMA実験を通して、いろいろなことが分かりました。多方面にわたる
様々なデータ収集と使用感をテストできました。課題を乗り越えた、より良いパッシブ・リピート・アンテナに向けて、現在試作開発しています。完成しましたらこのブログで紹介する予定です。
 
 
【図3】再放射アンテナの伝搬イメージ図

次回は、今回の実験でも使いましたが、携帯電話の電波を測る簡易測定器を試作しましたので紹介します。携帯電話の電波の強さは目で見ることができず、唯一、携帯電話に表示される1から3本のアンテナピクト表示で知るだけで、かなり大雑把ですよね!
 よって、電波の強さを正確に知る事ができませんね。一般的には高価な測定器を使用しますが、もっと手軽に簡単に誰でもが電波の強さを分かるような簡易測定器を開発、試作しましたので紹介をします。

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FOMAの通話スポットを広げる実験

2005.10.17

前回の実験では、再放射アンテナから5mまでFOMAの電波を改善できました。

今回は「より広い範囲で使えるようにする」・・・・・ということについて考えてみました。

 



 

そこでまず、同軸分配器を用い、再放射アンテナを2分岐して実験を行いました。

実験はパッシブ・リピート・アンテナの入射アンテナを基地局の見通せる3Fの窓際に設置し【図1】【図2】

同軸ケーブル(35m)を使って地下通路C位置から同軸分配器で2分岐して、①AB方向と②DE方向に再放射しました。【図3】

 



【図1】設置環境 

 



【図2】アンテナ設置前の携帯電話の電波状態



 

設置前は通路B位置からE位置にかけては圏外になっていて携帯電話が全く使えない状態でした。

(今回は地下通路のみの測定、店舗部分では測定を行っていません。)

 



【図3】2分配してアンテナを設置した後の携帯電話の電波状態

 

【テスト結果】

携帯電話:NTTドコモFOMA N900iS F900i 
測定機:アンリツW-CDMAエリアテスタ ML8720B
上記、機器を使用し使用感と測定値を記録しました。

 

分岐アンテナ① から1mのところ

 



 

設置後  
接続率:発信100% 着信100%
アンテナピクト表示:2本

品質:スムーズに発信着信が可能で通話品質も良好
RSCP:−97.8【dBm】Ec/No:−8.6【dB】

 

分岐アンテナ①から2mのところ

 



 

設置後
接続率:発信100% 着信50%
アンテナピクト表示:1本
品質:発信はスムーズにできたが、着信しないときがあった。繋がれば音質は良好。RSCP:−95.1【dBm】Ec/No:−8.5【dB】

 

分岐アンテナ①から3mのところ

 



 

設置後
接続率:発信0% 着信0%アンテナピクト表示:圏外品質:圏外の為使用できない。RSCP:−101.0【dBm】
Ec/No:−8.7【dB】

 

分岐アンテナ②から1mのところ

 

 

設置後
接続率:発信100% 着信100%
アンテナピクト表示:2本
品質:スムーズに発信着信が可能であったが、通話品質アラームが鳴ることがあった。RSCP:−95.2【dBm】Ec/No:−8.3【dB】

 

分岐アンテナ②から2mのところ

 



 

設置後
接続率:発信100% 着信60% アンテナピクト表示:1本
品質: 発信はスムーズにできたが、着信はしないときがあった。通話中、品質アラームが鳴るときもあった。RSCP:−95.6【dBm】Ec/No:−7.9【dB】

 

分岐アンテナ②から3mのところ

 



 

設置後 接続率:発信0% 着信0%
アンテナピクト表示:圏外
品質:圏外の為使用できないRSCP:−99.2【dBm】
Ec/No:−7.9【dB】

 

 

【写真1】異なる方向に設置した2台の再放射アンテナ

 

次に、地上で通話を開始して通話しながら、パッシブ・リピート・アンテナを設置した
地下へ移動した時に通話が切れずに使えるか【アンテナ間での通話】
実験を行いました。【図4】

 

 

 【図4】直接基地局から通信していた状態からパッシブ・リピート・アンテナへの移動

 

アンテナ設置前は、階段部のD・Eあたりまではアラームは鳴るが
通話はなんとか維持でき、通路A位置のところで切れてしまう状態でした。アンテナ設置後は、通路A・B・C位置まで移動しても通話を維持することができました。地上から地下、地下から地上へと発信、着信のテストを行いましたが通話が切れることなく使用できました。

 

■まとめ

再放射アンテナを2分岐した場合、それぞれの再放射アンテナから2m弱までFOMAの電波を改善できることは確認できましたが、1つの再放射アンテナで5m先まで使えた前回の実験(入射アンテナ1台、再放射アンテナ1台の構成)と比べると、距離は半分以下になってしまいました。再放射アンテナを増やしたら単純に通話スポットが広がることにはなりません。アンテナからの放射距離が半分以下になったのは、同軸ケーブルを2分配することにより電力が半分になることに加え、分配器のロスが加わるためと考えられます。2分岐した再放射アンテナでより広いスポットをカバーできるようにするためには、分配によるロスを補うだけの入射アンテナの利得(電波の受ける力)が、さらに必要であると考えられます。



また、パッシブ・リピート・アンテナのシステム全体としての効率をよりアップすることが必要です。次回は、FOMAのビル地下圏外での実験の結果からパッシブ・リピート・アンテナ・システムの改善課題などについて整理していきたいと思います。

 

 

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FOMA用パッシブ・リピート・アンテナ実験

2005.10.13

前回、ビル地下でアンテナ設置前の電波測定を行い地下の通路でケータイが圏外になり通話ができない現状をお伝えしました。
【図2】
ッシブ・リピート・アンテナの入射用指向性アンテナを基地局の見通せる3Fの窓際に設置【図1】同軸ケーブル(35m)を使って地下通路B位置からC、D、E位置方向へ再放射しました。【図3】
 
【図1】設置環境

【図2】アンテナ設置前の携帯電話の電波状態
 
設置前は通路B位置からE位置にかけて圏外になっており、携帯電話が全く使えない状態でした。B位置に再放射する指向性アンテナをEの方向(奥側)へ向け設置しました。
今回は地下通路にて測定、店舗部分では測定していません。
 
【図3】アンテナ設置後の携帯電話の電波状態
 
【テスト結果】携帯電話:NTTドコモFOMA N900iS F900i N2701(FOMAモード)測定機:アンリツW-CDMAエリアテスタ ML8720B上記、機器を使用し使用感と測定値を記録しました。
 
 
■アンテナから1m 接続率:発信100% 着信100%
アンテナピクト表示:2本
品質:良好でスムーズに発信着信が可能でした
RSCP:−89.5【dBm】Ec/No:−7.8【dB】
 
 
■アンテナから2m 接続率:発信100% 着信100%
アンテナピクト表示:1〜2本
品質:音質も良好でスムーズに発信着信が可能でした
RSCP:−93.2【dBm】Ec/No:−7.8【dB】
 
 
■アンテナから3m 接続率:発信90% 着信100%
アンテナピクト表示:1〜3本
品質:着信は問題ありませんでしたが、発信に時間がかかり、1度途切れが発生し通話が切れてしまいました。その後試しましたが、現象が再現しませんでした。
RSCP:−98.4【dBm】Ec/No:−8.1【dB】
 
 
■アンテナから4m 接続率:発信100% 着信100%
アンテナピクト表示:3本
品質:スムーズに発信着信が可能であったが通話品質アラームが鳴ることがありました。
RSCP:−92.0【dBm】Ec/No:−7.5【dB】
 
 
■アンテナから5m 接続率:発信100% 着信100%
アンテナピクト表示:1本
品質:音質も良好でスムーズに発信着信が可能でした
RSCP:−92.0【dBm】Ec/No:−7.5【dB】
 
アンテナから6m 接続率:発信0% 着信30%
アンテナピクト表示:圏外〜1本
品質:通話品質アラームが鳴り、通話が切断されました。発信操作時圏外になり発信ができません。着信はしない時もあり、事実上使用できませんでした。
RSCP:−102.3【dBm】Ec/No:−9.0【dB】
 
■アンテナから7m以降
接続率:発信0% 着信0%
アンテナピクト表示:圏外品質:圏外のため使用できません。
RSCP:−110.7〜−102.0【dBm】Ec/No:-12.7〜−9.0【dB】

【写真1】試作した再放射アンテナ
 
【写真2】○印B位置より奥へ電波を放射
 
【図4】RSCP値とEc/No値の相関図
 
【複数台での発着信テスト】
ワイヤレスリピートアンテナは、アンテナと携帯電話が同軸ケーブルで接続するものではありません。再放射アンテナと携帯電話の空間を通して通信しているため、同時複数人の使用できます。FOMA N900iS、F900i、N2701(FOMAモード)を使用し、各測定点1m〜5mで3台同時に発信と着信を行いました。音質も良好でスムーズに発信着信ともに問題ありませんでした。
 
■まとめ
アンテナを使用することにより、電波の届いていない圏外の場所で、再放射アンテナから5mまでFOMAの電波を改善できることが確認できました。3mの地点で若干不安定な現象も発生しましたが、ほぼ通話が可能になったと体感できました。地下という電波が遮蔽された空間のためか、RSCP値が低下してもEc/Noは地上や高層階の環境と違いほとんど低下しないことがわかりました。これは外部からの干渉電波の影響を受けなかったためだと考えられます。複数台のFOMAを同時に発着信を行いましたが、再放射アンテナから5mまでつながらない・途切れるといった問題もなく通話ができました。次回は、より通話スポットを広げる為の実験レポートを行います。

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ビル地下のFOMA電波感度改善テスト

2005.10.11

FOMAをはじめ最近の携帯電話は高機能化していて、ますます便利で使いやすいものになっています。また便利である反面、地下などで電波が入らなくなりiモード等の通信機能が使えなくなると非常に不便に感じてしまいます。さて今回は、実際地下にあるお店とビルの地下通路の現状をレポートします。
 
【図1】実験したビル近隣の環境
ビルの外で定点を決めFOMAのRSCP値とEc/No値を測定しました。【図1】
立地条件:駅前に20階建てビルの屋上①に基地局があります。基地局②③にもにも基地局があります。そこから南西へ約200mのところの地上8階建ビルで実験しました。また基地局②③からはほとんど電波が届いておらず基地局①と通信していました。
ビル1階部での電波測定値以下の結果でした【図2】【図3】参照

 
【図2】基地局からのビルまでの環境
 
【図3】ビルの周りの電波環境(FOMA)
 
ビル周辺の電波環境は【図3】のとおりRSCPが−78.3〜−69.8【dBm】Ec/Noが−11.5〜−7.2【dB】と携帯電話使用において全く問題ありませんでした。
 
【アンテナ設置前の電波環境】
測定器にて地下への階段、地下通路を測定と同時に携帯の発着信テストを行いました。結果を色分けし【図4】に示しました。
 
【図4】ビル内での電波測定結果(FOMA)
 
●階段A位置〜C位置 →問題なく通話可能 発信着信とも良好でした
アンテナピクトは3本
RSCP −86.7〜−79.8dBm 
Ec/No −11.3〜−10.1dB
【写真1】A位置付近から地下への階段 奥の照明の下がB、C位置
 
階段D位置〜E位置 →通話ができないわけではないが発信できなくなる事が多かったです
接続率:発信50% 着信90%
アンテナピクトは1〜2本 E位置の奥で階段に背を向けると圏外になります。
RSCP −104.1〜−98.1dBm Ec/No −11.3〜−10.1dB 品質:途切れ、通話品質アラームが鳴り、
発信すると圏外になることも。着信に関しては圏外表示にならなければ正常に着信します。
 
 
【写真2】C位置よりD、E位置を撮影
 
●通路A位置
アンテナピクトは1本階段より通路A位置に来ると通話は可能ですが、いったん通話を切ると圏外になり、階段C位置まで戻らないと電波を受信しなくなりました。途切れ、通話品質アラームが鳴ります。発信すると圏外になります。RSCP −113.9dBm Ec/No −16.7dB
 
【写真3】通路A位置より通路B位置〜E位置方向を撮影


 
●通路B位置〜E位置 →圏外表示になり携帯電話が使用できない。
RSCP −118.0dBm以下Ec/No−16.7dB以下
 
■まとめ
 
【図5】RSCPEc/Noの相関図(FOMA)
 
今回の実験では以前行った「ビル地下での携帯電話の電波って・・・」の時と同じく、地下通路では電波が入りにくく弱電の状態もしくは圏外になってしまいます。この場所でも、地下のお店のお客さんが階段A位置まで行ってケータイを使っている場面に遭遇しました。次回は、電波が圏外である地下通路に、試作したパッシブ・リピート・アンテナを使用しどのように改善するかをレポートします。

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