電波感度をよくするケータイ・スポット・アンテナの開発Blog

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FOMA、Vodafone3G用の指向性アンテナを試作

2005.12.14

こんにちは、電波太郎です。
前回の実験で、「電波が相互に干渉している場所」では市販されている無指向性のアンテナは効果を期待できないことがわかりました。
無指向性アンテナ360度、全方向から電波を受信するので干渉波まで受信してしまい、
干渉を改善することができないためです。
 
そこで、指向性アンテナを試作してみました。
アンテナの指向性によって干渉波をカットし、目的とする電波だけを受信できるようにすることでケータイを使えるようにできるか実験してみました。
 
テストした場所はタワーマンションの35Fで、FOMAとvodafone3Gが使えない弱電干渉のところです。
 
【図1】指向性アンテナのテスト環境
 
【実験をした場所】高層マンションの高層階(35階)
【実験場所の環境】弱電干渉
【使用した携帯】 NTTドコモ  N900is (FOMA)
           Vodafone V802N  (Vodafone3G)
【実験した場所の現状】
・アンテナピクトは「1〜2本」の間で変動する。
・ 発信してつながるまでに時間がかかる。(15〜20秒くらい)
・ 発信ができないときがある。
・ かかってきた電話を取ると、すぐに切れてしまうことがある。
・ こちらは圏外でもないのに、かけできた相手には「圏外」のアナウンスが流れる。
・ 通話中に音の途切れやアラームが鳴り、音質が悪く相手の声が聞きづらい。
・ 通話中に突然無音になって切れてしまうことがある。
・ メールやWebがなかなかつながらない。
・ メールが1回で送れない。
Webが途中で切れてしまう  など…
 
【写真1】タワーマンション
 
指向性アンテナが干渉に効果があるか、テストしてみました。
【試作した指向性アンテナと使用した携帯】 
 
■ ドコモ   N900iS (FOMA)
Vodafone V802N (Vodafone3G)
 
【写真2】左FOMA N900iSと試作アンテナ 右Vodafone V802Nと試作アンテナ 
 
窓際でFOMAとVodafne3Gの基地局を探しましたが、高層階なので肉眼ではよくわかりません。アンテナを動かしアンテナピクトが「2本」でほぼ安定する方向にセットしました。
FOMAに関しては、試作したFOMAインジケータでも受信電波のレベルをチェックし
アンテナの方向を確認しました。
これで、FOMA、Vodafone3Gの指向性アンテナのセット完了です!
さて、まずは発着信、通話、メール、Webのテストです。
以下、FOMA、Vodafone3Gともほぼ同じような結果でした。
発信は1回ですぐつながりました。携帯電話だけでの発信や、無指向性のアンテナを使った時は、何度も発信しないとつながりませんでしたが、今回は1回でつながりました。
加えて、繋がる時間も早くなりました。
電話がかかってきたときは、取ってもすぐに切れることがありましたが、今回は普通に通話できました。
 
通話中の音の途切れやアラームなどはなく、安定したように感じました。
通話中に音が悪くなっていきなり切れることがありましたが切断はありませんでした。
(テストは1回約2分の通話を5回発着して実施)
 
次に、メールとWebのテストを行ないました。
つながりにくかったメールやWebが早くなりました。
iモードメールを5回送信してみましたが、4回はすぐに送れました。1回だけ少し時間がかかりましたが送信はうまくいきました。
Webも途中で切れてしまうことなく、普通に使えました。
これならストレスなく使える感じです。
  
アンテナの指向性によって受信面以外の干渉波をカットしているために、干渉が軽減されているのでしょう。
発着信、通話、メール、Webが安定したことを体感できました。
 
実際の受信電波状態の変化を、エリアテスターで測定し、データとして確認しました。
指向性アンテナをつないだ時とつながない時の測定値を【表1】【図2】に表してみました。
アンテナの指向性によって、他の干渉波がカットされ、目的となる受信電波が相対的に
抜き出ています。
 
【図2】指向性アンテナをつないだ場合とつながない場合のEc/No値の変化
 
 
指向性アンテナをつながなかったときは、電波状態が不安定で電波の変動が大きくなりました。
一番電波状態の良い方向へ指向性アンテナを向けて携帯電話に接続すると、希望波のEc/Noがよくなり(12.2dB→8.8dB)、通話も非常に安定しました。【表1】(a)→(b)
 
【まとめ】
今回ような弱いレベルの電波が多く飛んできて互いに干渉している高層階の弱電干渉では、指向性アンテナが効果を発揮することが充分に体感できました。
 
指向性アンテナではアンテナを向けた方向以外からの干渉波を受信しないので、
干渉に有効で、発着信や通話の安定感やメール、Webのスムーズさを体感しました。
 
【図3】指向性アンテナ動作イメージ
 
干渉によって携帯電話が使えなくて不便を感じているタワーマンションの居住者の方は少なくないと思います。
 
今回試作してテストした指向性アンテナは携帯電話とケーブルでつなぐために、
より安定した通話が可能になりました。
 
現在開発中のパッシブ・リピート・アンテナのようなワイヤレスではありませんが
近々、オンラインショップ「ケータイどっとこむ」で皆様にご案内できるように
準備をすすめております。お楽しみ!
ご意見など是非、お寄せください。

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市販の携帯電話用外部アンテナをテスト

2005.12.09

こんにちは、電波太郎です。
今回は、タワーマンションの高層階(35階)と、ビルの奥まった事務所でアンテナのテストを実施しました。
◆ 出向いた高層マンションの35階は、弱い電波が相互に干渉し合っているためにFOMAとVodafone3Gが使えない弱電干渉の環境でした。
もう一箇所は
◆ ビル奥の事務所の限られた机のシマのあたりで、FOMA、Vodafone3G、auともに電波が弱く使えないところでした。(弱電)
 
【図1】テストした弱電干渉と弱電の場所
 
【実験場所の環境】  弱電と弱電干渉
 
【確認した症状】
FOMA、Vodafone、auともに似たような症状を確認
 
・アンテナピクトは「1〜2本」の間で動く。
・発信ができないときがある。
・かかってきた電話を取ると、すぐに切れてしまうことがある。
・通話中に音の途切れやアラームが鳴り、音質が悪く相手の声が聞きづらい。
・通話中に突然無音になって切れてしまうことがある。
・メールやWebがなかなかつながらない。
・メールが1回で送れない。
Webが途中で切れてしまう  など…
 
【写真1】テストした高層マンション
 
携帯電話用外部アンテナを窓に固定してテストを行いました。
【テストしたアンテナと携帯】 
FOMA   FOMA外部アンテナとN901iS
Vodafone VGS室内アンテナとV802N(Vodafone3G)※
■ au cdma簡易アンテナとA5406CA(CDMA1x)
 
【写真2】 携帯電話用外部アンテナ
 
※(左)FOMA室内用補助アンテナ、(中)VGS室内アンテナ※、(右)cdma簡易アンテナ
 
タワーマンションの35階ではFOMAとVodafone3Gの外部アンテナのテストを行いました。
 
◆ タワーマンション高層階での外部アンテナの改善効果
・ アンテナを使ってもアンテナピクトは「1〜2本」のままで、変化はしませんでした。
発信は何度かリトライして発信しないと、つなががりませんでした。つながるまでの時間も変わりまえんでした(短くはならず)。着信に関してもスムーズになったとは感じません。
その環境で、FOMA, Vodafoneともにアンテナを使ってみましたが、効果を体感できませんでした。
通話できるときは普通にできていましたが、しばらく経つと、音の途切れやアラームが出てだんだん聞き取りにくくなり、音が悪くなって通話が突然切れてしまいました。
ただ、通話が普通にできている時はアンテナを使わないときに比べて音の善し悪しの変化が少ないように感じました。
それは、アンテナを窓に固定して電波を受信しているので、手ぶれによる受信電波の変動がないからだと考えられます。
電波が干渉している高層階のこの環境では、テストしたFOMAの外部アンテナ、VodafoneのVGS室内アンテナともに、改善の効果を体感できませんでした。
 
Vodafonne3Gでは外部アンテナに繋げない機種があるので、買うときに注意が必要です。また、シャープ、NEC製はアンテナ端子がついていますが、アンテナ端子が携帯電話側にない機種があるので要注意です。
【写真3】アンテナ端子がある機種の外部端子
 
次に、弱電のために携帯が使えないビル奥の事務所でテストを行いました。
このビルは道路向かいの高層ビルの陰になっているところで、ビル前の道路やビルの道路側は使えますが、他は電波が弱くて使えない環境でした。
 
【図2】携帯が使えない事務所の周辺環境イメージ
 
「自分の部の机のシマ付近では携帯が不安定で使えない」という営業の人に聞きました。 
「会社では仕事の連絡は携帯からはしないけど、かかってきた時が困るんですよ?!」
「いつも電話を切っておくわけにもいかないし……」
「途中で切れたりしたら困るので、窓の付近まで行ってから電話します」……
 
◆ まず最初に、使えない机のシマにFOMAとauの外部アンテナを置いてテストしました。
どちらも窓へ取り貼り付けるタイプのアンテナなので、垂直に立ててセットするのに少し
苦労しました。
しかし、アンテナピクトは変わりません。発信が少しスムーズになったように感じましたが、つながるまでに時間がかかることも何回かありました。つながってからの通話はしばらくの間、音も良く安定していました。しかし、長く話していると音の途切れやアラームが出ました。
感想としては、アンテナを使わないときと比べて、通話は安定しているように感じるけど
「バッチリ安定!」というところまでではありませんでした。
 
◆ 次に、いつもは使える場所にアンテナを設置してケーブルで伸ばしてみました。
いつも使えているあたりにFOMAとauの携帯電話用外部アンテナを置いて携帯電話にコードを接続しました。ケーブルが窓からは机のシマまで届かないので途中に設置。
結果は、アンテナが無い時では奥へ入るとアラームや途切れなどが出て使えなくなっていましたが、窓際でしゃべっているときのように安定して通話ができるようになりました。
また、発着信もスムーズにでき、通話も途切れなどなく普通にできました。
安定している感じが、通話の声で体感できました。
ちょっとケーブルがイヤですが、充分な改善効果を体感しました。
 
【まとめ】
今回、携帯電話が使えない2つの電波環境で、市販の代表的な携帯電話用の外部アンテナをテストしてみました。
弱いレベルの電波が多く飛んできて互いに干渉しているような弱電干渉では、
無指向性のアンテナであるために、携帯電話本体や携帯電話用外部アンテナは効果を発揮できないことがわかりました。
このタイプのアンテナは、全方向から受信するので干渉波まで受信してしまいます。
そのため、効果を期待できないのです。
 
【図3】無指向性アンテナの送受信
 
無指向性アンテナの効果を確実に体感できたのは、【図4】のような
「窓際では携帯を普通に使えるけれど少し奥ではケータイが使えない」といったケースでした。
アンテナを窓際に設置してケーブルを延ばせば、充分な効果を体感できました。
 
また、電波が弱いところでこのアンテナを使う場合、アンテナを窓などに固定することによって電波の受信状態を安定させる効果はありそうです。
ただし、弱電の環境では電波そのものが弱くなって届いており、強さも常に変動しているので使用感としてバッチリ安定させ維持できるまではできないようです。
置く環境によって体感差がでるようですね。
 
【図4】外部アンテナが使えるイメージ
 
「アンテナであれば電波がよくなるだろう」と期待して買われて、効果に失望されたユーザーの方も
少なからずおられると思います。
電波環境に合ったアンテナを選ばないと効果は期待できないのです。
しかし、“自分の環境にあったアンテナがどのようなものなのか”という判断基準となる情報があまりにも
少ないように感じます。
そういう意味でも、このブログの市販アンテナのカテゴリーで、もっともっと判りやすく紹介していきたいと思います。
皆様のいろいろな声をお寄せください。
携帯電話のアンテナに関する質問などがあれば blog-info@k-tai.com へ

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ケータイの電波状態の見分け方

2005.12.05

こんにちは、電波太郎です。
前回、ケータイが使えない電波の状態を4種類の原因に分けてみました。
携帯電話の外部アンテナを選ぶときも、その電波の状態にあったアンテナを使わないと効果がありません。
では、どうやって一般のユーザーは判断したらいいのでしょうか?
そこで、誰でもできるおおよその電波状態の手軽な見分け方をまとめてみました。
 
4つの電波状況、「干渉」「弱電」「弱電干渉」「圏外」を簡単に整理してみよう。
 
◆ 干渉とは
移動していても使える携帯電話は、絶えず一番強い基地局の電波を使って通信をします。
ところが、タワーマンションや丘陵地などの見通しがよいところでは、多くの電波が同じような強さで届いてしまって携帯電話はどれを使っていいのか混乱してしまう状態がおこります。
このような電波の状態を「干渉」といいます。
アンテナは「3本」立っているのに突然切れたりするのは、「干渉」が原因です。
 
◆ 弱電とは
基地局から距離が遠いため、飛んでくる電波が弱くなってしまっていたり、
電波が建物や遮蔽物にあたって弱まって届くような電波の状態を「弱電」といいます。
代表的なところは、山間部やビルや建物の奥まった場所や地下などです。
 
◆ 弱電干渉とは
弱い電波がたくさん届き相互に干渉し合っている状態です。
受信感度が悪くて干渉が多い電波の状態。
 
◆ 圏外とは
使える感度の電波が届いていない状態。
または、干渉の影響が強く、使える状態ではない環境。
  
次に、電波の状態別に、立地や特徴的な症状(携帯が使えない現象)を整理してみました。
わかりやすく簡素化するため、割りきった分類にしています。
【図1】携帯が繋がりにくい立地環境
 
◆立地、環境から【図1】
1. 高層マンション高層階でアンテナピクトは3本。(干渉)
2. 高層マンション高層階でアンテナピクトは2本以下。(弱電)または(干渉)
3. ビルの内部の奥まった場所。(弱電)
4. ビルの地下。(圏外)
5. ビルの谷間。(弱電)
6. 郊外丘陵地の住宅、マンション。(干渉)(弱電干渉)(弱電)
7. 山頂及び山中。(弱電)
8. 基地局のエリアの狭間。(弱電)
 
◆発信着信の症状から
9. 圏外が表されて、発着信が全くできない。(弱電)(圏外)
10. アンテナピクトは3本立っているのに使えない。(干渉)
11. アンテナピクトは0〜1本〜2本とよく変化する。(弱電)(干渉)
12. 表示されたアンテナピクトは0〜1本で変化はあまりない。(弱電)
13. 通話後にアンテナピクトが圏外表示になることがある。(干渉)(弱電)(弱電干渉)
14. 着信はできるが、発信が出来ないときが多い。(弱電)
15. 発信はできるが、着信がダメなときが多い。(干渉)(弱電干渉)
16. 相手に繋がるまでの時間が長い。結局、つながらないときもある。(干渉)(弱電)
17. 相手がかけたとき、着信まで時間がかかる。着信できない時もある。(干渉)(弱電干渉)
18. 圏外でもないのに、電話をかけてきた人に圏外アナウンスが流れる。(干渉)(弱電)
19. 着信の呼出し音は鳴って、電話を取ったらすぐに切れる。(干渉)(弱電干渉)(弱電)
 
◆通話の時の症状から
20. 短時間の通話中でも品質アラームがよく鳴り、音が途切れたりする。(干渉)(弱電)
21. 長時間通話中のときに時々品質アラームが鳴ったり途切れたりする。(干渉)(弱電)
22. 通話開始直後に回線が突然切れる。(干渉)(弱電)
23. 通話中に音が悪くなり、電波の良いところにいっても通話が切れてしまう。(干渉)
24. 通話中に突然音声が全く聞こえなくなる。(干渉)(弱電)
25. 通話中に突然自分の声が相手に全く聞こえなくなる。(無音になる)(干渉)(弱電)
26. 通話中、動いたら電話の状態が変化する。(弱電)
27. 通話中、動いていないにもかかわらず通話状態が変化する。(干渉)
 
◆メールやWEBの症状から
28. メールを送信するときすぐ送れない。送信の失敗が多い。何回も送り直す。(干渉)
29. メールを送受信するとき時間がかかる。(弱電)
30. 送られたメールがすぐに届かず、数時間後に届いているのに気づく。(干渉)
31. Webにすぐつながらず、接続エラーになることが多い。(弱電)
32. Web中に突然に回線が切断してしまうことが多い。(干渉)
 
◆使用できる場所や天候などの状況から
33. 窓際では問題なく使えるが、他の場所(部屋の奥)では使えない。(弱電)
34. 窓際、ベランダでも不安定で使えない。(干渉)
35. 家の中で使えるところとダメな場所が偏在する。(干渉)(弱電)
36. 雨の日などは携帯が使いにくくなる。(弱電)
37. 雨の日などは少し使いやすくなる。(干渉)(弱電干渉)
 
【まとめ】
携帯電話の電波状態の見分け方を、「立地環境や場所」、「発着信のときの症状」、「通話のときの症状」、「メールやWebの症状」などからまとめてみました。
同じ場所、同じ症状でも電波状態は違うことはありますが、他の症状と組み合わせて考え、電波状態の見分けをおおよそできると思います。
 
携帯電話使用環境の電波の状態が4タイプ(干渉、弱電、弱電干渉、圏外)のどれかを理解して、それに適した携帯電話用の外部アンテナを選ぶことが大切となります。
また、アンテナを販売するほうは、そうしたお客さまにしっかりしたアドバイスや情報提供をする必要があります。
 
電波は目に見えなくうえ、難しくかなり専門的です。しかしこんなにも普及した携帯電話の関連商品である外部アンテナが、購入したいと思うユーザーにとって分かりにくい商品になってしまっています。
アンテナの流通にはまだまだ改善の余地が多いように感じます。
 
次回は、電波が干渉している場所で市販アンテナをテストし、その結果をまとめてみます。
 
【写真】市販されている携帯電話用外部アンテナ

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市販のケータイ外部アンテナ編

2005.12.01

こんにちは、電波太郎です。
先日、ある大手の家電量販店に行って携帯電話用の外部アンテナを探しました。
「あれ?携帯の外部アンテナが売り場に置いてない!」 
店員に聞くと、「お買い上げ後のクレームが色々多くて取り扱いを止めました!」
携帯のアンテナに関わるものとしては、少なからずショックでした。
ユーザーの立場からすれば、「買ってよくなったよ」ということを聞く一方で、「買っても全然ダメだった」という人もいたりして、「実際の効果があるかどうかわからない?損するかも?」といった疑心暗鬼の心理があるようです。
 
「なぜそうなったんだろう?」
 
今までにこのブログでも携帯が使えない場所ごとに、電波の環境や状態が違うことを紹介してきました。
当然のことですが、アンテナを選ぶときに環境に合ったものを選ばないと、効果は期待できません。
しかし、現状は市場には価格的にも様々なアンテナが流通していますが、その選び方については、ユーザーサイドに立ったわかりやすい情報があまりにも少ないように思います。
 
そこで、今回から数回にわたって『携帯電話用の外部アンテナ選びのポイント』について、実際に市販されている商品を使いながら整理してみたいと思います。
 
【図1】一般的にケータイの電波が悪いといわれる場所
 
1. 高層マンション・ホテルなど
高層階では見通しが良いために多くの基地局の電波が届いてしまい、さらに部屋の奥では到来した電波が弱くなってしまいます。「窓際では使えるけど部屋の奥では使えない」とか、「窓際は使えないが部屋奥の方がいい」という、その反対のケースもあります。
それらのケースでは、アンテナピクトが「3本」なのにケータイの発着信ができない、メールが使えない、通話中に音が途切れたり切れてしまったりするような症状がみられます。
 
2. 丘陵地の住宅
都心のマンション・ホテルと同じく、見通しが良いために、多くの基地局の電波が届いてしまいます。また「窓際では使えるが、部屋奥では使えない」、「日によって携帯の発信、着信がまったくできなかったり」、「電話を何度かけてもすぐに音が悪くなって通話が切れてしまう」といったような症状です。今回のテストユーザーさんの中には、「家では固定電話を使ってかけます。かけてもらうのも固定電話」という方もおられました。
 
 
3. ビル地下の通路や店舗など
  地上では携帯が十分に使えてもビルの地下へ入った途端に使えなくなることがよくあります。地下で待ち合わせの時や地下の飲食店では連絡が取れず不便ですよね。
また、階段などの空間を通して電波が入り込んできますが、電波は地下の通路を曲がって伝わる事ができないので、壁などに反射しながら奥へ入り込みます。そのために感度がどんどん弱くなって、圏外になってしまうようなところです。
 
4. オフィスなど
「窓際では携帯が使えるけど部屋の奥へ行くと電波が届かなって携帯が使えない」というオフィスも、最近よく耳にします。また、タワービルのオフィスでは高層マンションやホテルと同じような症状も最近増えてきているようです。
 
5. 山間・僻地など
携帯電話基地局が遠い為に電波が弱く「圏外」になってしまうような場所です。
 
電波の環境は大雑把に言えばこんな感じですが、これらの環境を改善するアンテナには
どのような種類があるのでしょうか?
 
アンテナには大きく分けて「指向性アンテナ」と「無指向性アンテナ」の2種類のタイプがあります。
 
【図2】アンテナの種類と受信方向
 
通常、携帯電話の内蔵アンテナは「無指向性アンテナ」といって全方向(360度)から電波を受信するアンテナです。無指向性アンテナは【図2b】のようにすべての方向に対して受信するため、1つの方向から届く弱い電波を受信する力(電波を集める力)は少なくなります。
 
それに対して、「指向性アンテナ」というものがあります。
「指向性アンテナ」は一つの方向へ対して受信する力を高めます。【図2a】
アンテナを向けた方向から来る必要な電波だけを受信するようにできるので、より強い力の電波としてキャッチすることができます。
丸い風船の中の空気密度に例えると、風船を両手で押さえ込むと風船は細長くなりますよね。
もともとある空気の絶対量は変わらないので、押さえ込んだ風船の中の空気の方が密度は濃くなりますよね。これが受信レベルの強さです。
指向性アンテナとは、このような特性をもったアンテナです。
 
電波状態とアンテナとの関係をあえて大雑把に思い切ってまとめてみると
【図3】電波状態とアンテナとの大雑把な関係
 
高層マンションや丘陵地の住宅のようなところで、「無指向性アンテナ」を使う場合、アンテナを置く窓際では携帯は使えることが基本でしょう。少し離れると使えないようなところ向きです。窓際でアンテナピクトが「3本」立っていても、もともと不安定な場合は要注意です。
このような場合、一般的には多くの電波が届いて相互に干渉しているので、全方向から電波をキャッチする「無指向性タイプ」のアンテナを使っても改善になりにくいでしょう。
「指向性アンテナ」は不要な電波をカットしつつ目的とする電波を受信するタイプなので環境的には適しています。
 
ビルの地下や山間、僻地などで電波そのものが届いていない場所では、外部アンテナをつけても電波を受信することができません。
しかし、少しでも届いておれば、風船の例で紹介したように「指向性アンテナ」によって使えるようにできるでしょう。
 
次回から数回にわたって、携帯が使えない様々な電波環境で市販されているアンテナを使って効果を確認します。
また、ユーザーの方が簡単にできる電波環境の判別方法やアンテナ選びのポイントなども
まとめて行きたいと思います。ご期待ください。
 
今回、テストで使ってみるアンテナ
●指向性アンテナ
     ・ キャリポケアンテナ(ドコモエンジニアリング)
     ・ らくらく通話アンテナFOMA DX(東洋コネクター)
●無指向性アンテナ
     ・FOMA外部アンテナ(NTTドコモ)
     ・ボーダフォン3Gアンテナ(Vodafone)
     ・cdmaOne簡易アンテナ(KDDI)
     ・らくらく通話アンテナFOMA(東洋コネクター)

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FOMAの電波受信感度がわかる簡易インジケータ

2005.10.24

携帯電話の電波の強さは、通常、携帯電話に表示される1から3本のアンテナピクト表示でしか分かりません。しかも、かなり大雑把。電波の強さを正確に測るには、携帯電話の基地局点検に使うような、高価な測定機器が必要です。そこで、ユーザーがもっと手軽に簡単に知ることができるようFOMA用の簡易インジケータを試作しました。

 
試作したのは、RSCP値がわかるレベル表示器です。これをFOMAに接続することで、FOMAが受信している電波の強さであるRSCP値を、−115dBmから1dB刻みで測定できるようになります。
◆RSCPとはRSCP (希望波受信電力) Received Signal Code Power FOMAは、受信しているいくつかの基地局の電波の中で、一番強い基地局の電波(以下最勢力局と呼ぶ)と通信します。RSCPとはFOMA端末が受け取る最勢力局の電波の受信電力の値です。
 
【写真1】試作したインジケータ
 
【写真1】のように、FOMAと接続し電源を入れるだけで、受信している電波の強さを表示します。
これにより、FOMAの電波の強さがひと目でわかるようになりました。
次に、だいたいの目安とRSCP値を【図1】に示しました。FOMA携帯電話から−115〜−40dBmまでの値を取り出し、そのままデジタル表示させることもできますが、数字の表示ではわかりにくいので、一目でわかるようにレベルゲージで表示しました。また、FOMAが使えるかどうかを知るには、−115〜−85dBの30段階ぐらいで判断できると割り切って考え、試作器ではあえて30個のLEDでRSCP値をレベル表示しています。
 
【図1】インジケータ表示値とアンテナピクト、RSCP値のおおよその関係イメージ
 
この簡易インジケータは、FOMAの電波レベルを調べるだけでなく、指向性アンテナを正しく最勢力局の方向に向ける用途にも使えます。
今回、市販されている指向性アンテナを接続する実験も行いました。
通常、市販されている指向性アンテナの方向調整をする時、携帯のアンテナピクトで判断するしか方法はありません。しかし実際はアンテナ3本でも受信レベルに差があり、本当に最適な方向にアンテナが向いているのか分かりませんでした。
「一番電波のいい方向ってどこ?」というふうになってしまい、設置がとても面倒でした。
簡易インジケータを使ったところ、一番電波の良い場所や方向を見つけることができました。
 

【図2】分岐器を使用したイメージ
 
【図2】の接続方法で簡易インジケータでの指向性アンテナの方向調整をテストしてみました。実際のRSCPは−94dBmくらいの電波環境のところでしたが、指向性アンテナを色々な方向に向けると−110〜−91dBmの変化がありました。当然のことですが、実際に基地局がある方向(希望波の到来する方向)に向けているときに、最大の値を表示していました。また、インジケータを使った場合、アンテナピクトだけに頼ってセットした時と比べ、3dB受信感度が向上していることが分かり、明らかに方向調整が的確にできていることを体感できました(アンテナピクトはどちらも場合も3本を表示していました)。
今回試作したFOMA用の簡易インジケータは、今後、簡易測定器としての商品化も検討しています。皆さんのご意見を、コメントや問合わせで頂ければうれしいです。
前回までのFOMA実験では、今回試作した簡易インジケータだけでなくアンリツ製W−CDMAエリアテスタML8720Bも使いました。http://www.anritsu.co.jp/Products/List.asp?SID=22
この測定機はRSCP、Ec/Noだけでなく、携帯電話基地局の試験に必要なさまざまなパラメーターを測る事ができる、とても高価な測定機器です。基本的な組み合わせでも300万円近くします。使うと、まさしく測定作業している感じでした。
高層マンションでの携帯電話の電波
ビル地下FOMA編
http://www.k-taispot.com/blog/2005/10/post_36.php などの測定に使用しました。 
 
【写真2】アンリツW−CDMAエリアテスタ
 
FOMA用のケータイ・スポット・アンテナと簡易インジケータに続いて
、次回からは数回にわたり、ビル地下au編「ケータイ・スポット・アンテナのBefore−After」をレポートします。

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