こんにちは電波太郎です。
この週末、本社オフィスを引っ越しました。今日から新オフィスでスタートです。
移転前の慌ただしい中、試作のアンテナが完成しました。
これまでいろいろな場所の電波測定を行い、携帯電話が使えない電波の環境を4つ(圏外、弱電、弱電干渉、干渉)に分類しました。
高層階では見通しが良いために、多くの基地局の電波が届いて干渉を起こし、また部屋の奥では電波が弱くなっていました。
逆にビル地下では弱電や電波が届かずに圏外になって使えませんでした。
ビル地下の圏外のところでは、室内の再放射アンテナより5m〜10mのスポットで使えるように改善できました。
電波が干渉している高層階では、屋内の再放射アンテナから2mまでのところまでは効果を確認できましたが、それ以上の距離ではもともと飛来してきている電波とアンテナからの再放射電波の差がなくなり、ハッキリとした改善効果を感じられませんでした。
電波太郎:
再放射アンテナからの通話可能距離を伸ばすにはアンテナの性能をさらに
あげるしかないよね。
開発担当:
単純に言うと「アンテナの性能を上げる」ということだけど、受信電波の強さを上げる(アンテナの利得を上げる)だけじゃダメなんですね。
ビル地下の圏外のように電波が届かないところでは、再放射アンテナからの電波の強さによって通話可能距離が決まります。
しかし、もともと電波が飛来してきている高層階ではそれだけでは解決できない
こともわかりました。
電波太郎:
たくさんの電波が届いていて干渉している高層階では、受信電波を強く
するだけじゃ解決しないということ?
開発担当:
違法ブースターは電波を増幅して(強くして)干渉波をブッ飛ばしてしまう。
そのため、基地局の通信に障害を与えるんだ。(憤!)
違法なもの作って売って、見つかったら理屈や言い訳をいろいろしてる…・
なんか強度設計偽装の関係者とよく似てるよな!
電波太郎:
そうだよね。
我々は法をしっかり守ってパッシブリピータを完成させよう!
ステップ・バイ・ステップで。
開発担当:
FOMAやVodafone3Gなどの第3世代携帯電話の電波は通話に使用する
「希望波」と「干渉波」と呼ばれる通信していない別の基地局からの電波を同じ周波数で使用しています。そのため、通信する基地局に指向性アンテナを向けて希望波だけを受信する必要がありました。【図1】
【図1】パッシブ・リピート・アンテナでの動作イメージ図
電波太郎:
それって指向性アンテナで解決するっていうことだよね。
開発担当:
そうです!電波太郎君の言うとおり。
でもね、実際はそんな簡単にはいかないんです。
指向性アンテナで受信した希望波を部屋の中の屋内アンテナで再放射しますが、
電波を放射した後、2mくらいのところで回り込んでくるその他の干渉波に
再放射の希望波が埋もれてしまうんです。
電波太郎:
部屋に入ってくる干渉波を何かで遮って入ってこないようにすれば
いいんじゃない?ビル地下の時のようにかなりの距離を使えるんじゃないの?
あの時は5m先でも使えるようになったよね。
開発担当:
私もそう思い実験しました。【写真1】【図2】
電磁波を遮蔽するカーテンを窓にかけて…
測定数値の上では電波強度が落ちたけど、干渉の改善を体感するほどの
効果はありませんでした。
【写真1】電磁シールドカーテンによる実験
【図2】電磁シールドカーテンによる実験図
電波太郎:
そう、あまり変わらなかったんだ。
電磁シールドカーテンの隙間や壁からも電波が入ってきたのかな?
開発担当:
シールドされていない壁などからも電波が入ってきていたようです。
でも、電波暗室のように上下前後左右の6面を完全に遮蔽しなくても、干渉波が少し下がれば…と思ったけど、あまり効果はなかったです。
やはり壁などからも電波が入ってこないようにする必要がありました。
パッシブ・アンテナで希望波を受信して、室内のアンテナで飛ばし、干渉波はカーテンで遮るイメージだったんですが・・・・・
電波太郎:
試作をしたんだよね。
開発担当:そうです。
電波太郎:じゃあ新しいアンテナではどうなんだろう?
開発担当:はい、お見せしましょう。↓
【写真2】2GHz FOMA、VGS両用入射アンテナ
【写真3】800MHz au用入射アンテナ 、mova用入射アンテナ
写真のような平面アンテナを試作開発しました。
主にアンテナの受信感度の向上と指向性の改良(干渉波対策)が主な目的です。
この試作アンテナはこれからフィールド実験を行っていき、その状況を順次ブログに載せていく予定です。