こんにちは、電波太郎です。新装オープンに向けて内装工事中の市内のある飲食店の方から「店の中でケータイが使えなくて困っている」という話を聞き、実際の電波状態を見せてもらいました。
電波太郎
場所は市内のとある繁華街。5階建てビルの2階にあるお店です。「店の中で携帯電話で通話していると通話の音が途切れたり、通話が突然切れてしまう」とのことです。
さっそく、発信テストをしてみました。
まずアンテナピクトを確認した。アンテナピクトは「2本〜3本」、問題ないなぁと思いながら、発信開始。
発信はすんなりとつながりました。特に音が悪いという感じでもなく、拍子抜けするほどでした。ところが3分ぐらい音声を確認していると、急に通話音が途切れだし、しばらくすると通話が突然切れてしまいました。アンテナピクトを見ると圏外表示になっていました。
再発信してみましたが当然のことながら発信はできませんでした。
うーん、これかぁ・・・・
何度がリダイヤルしてみましたがつながりません。
しかし、しばらくするとアンテナピクトが再び「3本」に復活。発信してつながり、通話することができました。
開発担当
そんな障害、よく起こってるの?
電波太郎
内装工事の職人さんに聞いたら、「よくあるよ」と言っていました。
開発担当
突然音が悪くなって通話が切れるということは珍しいことじゃないけど、携帯を使う場所の電波感度の問題もあるかもしれないので、いろいろな端末でやってみよう。
電波太郎
ドコモ(mova)とau(cdma1x)を使って同時に発信してみました。どちらもスムーズに繋がり通話の音も問題なく使えます。アンテナピクトは「3本」で良好な通話のまま2〜3分ぐらい経ちました。すると突然2台とも同じようなタイミングで音が途切れ始め、突然通話が切れてしまいました。発信をしようとしても圏外になり、発信ができませんでした。
開発担当
店の外ではどんな状態なのかな?
電波太郎
すぐ外でもやってみたんですが、店の前の道路でも音の途切れがありましたね。
音もよくありませんでした。繁華街なので基地局は近いところにあると思うんですが・・・
開発担当
違う会社の携帯なのに同じように切れてしまうってどういうことなんだろう?
それに店の前でも途切れているとは・・・
どんな原因が考えられるのかな?
人がたくさん集まる場所だから、電波が混みあっているのかな・・・?
電波太郎
携帯でメールや通話をする人が多くなりすぎた時には、収容する基地局や交換機の処理能力を越えてしまうことがあります。しかしこの日はごく普通の日なので「トラフィックが増えて輻輳したとは考えられません。ということは、ビルなどの建物が密集している地域なので電波が届きにくくなっているのかな?
開発担当
携帯の基地局のアンテナは、ビルの屋上や鉄塔など地上から20〜30mの高い位置に設置されていますが、繁華街ではビルが密集しているうえに、狭い路地が入り込んでいます。
電波はビルの屋上や谷間から廻り込んできたり、障害物に反射して到達します。
電波が伝わるうちに弱くなったり、他の電波と混ざり合ったりして品質が大きく変動してしまうんです。
電波太郎
弱電や干渉による障害ですね。
開発担当
新しくできた高層ビルが電波を遮蔽し、周辺の電波状態が変わってしまうことがあります。
都心では「以前は問題なかったのにどうも最近調子がおかしい」ということがあります。
携帯電話会社は絶えず基地局相互のカバーエリアの調整をしたり基地局を新設したりして
インフラの状態を最適化する保守をいつも行っているんです。
電波太郎
そうだね、携帯電話基地局数もH17年12月末では104,126局となって、半年前より8000局以上も増えてるね。
【表1】
【表1】携帯電話基地局数 (H17.12末現在)
(出所: 総務省 情報通信統計データベース資料より抜粋し作成)
開発担当
通話エリアの充実や改善は携帯電話会社の最も大切な仕事ですが、我々が生活する空間が変化し続ける限り永遠のテーマともいえるね。
【図1】FOMAエリアの早期拡大・品質向上
(出所: 2006年1月 NTTドコモ IR情報資料より引用し作成)
電波太郎
そうですね、例えばNTTドコモではFOMAの屋外基地局を前年比47%屋内基地局を58%増強する計画をしていて屋内用の基地局も相当増えています。【図1】
しかし全ての建物で全ての場所をカバーするとなると、どうしても限界があります。
違法な中継装置は携帯電話が使えなくなるような障害を基地局に与えて近年大きな問題になっています。
今回の調査では、違う会社の携帯電話が同じような症状で使えなくなる現象が出ていました。音質も悪くなっていました。
しかし、電波を確認したわけじゃないので、可能性は否定できないですが問題となるような装置かはわかりません。
飛来電波を正確に測定して発信源を特定できなければわかりません。
いずれにしても、携帯電話の周波数は携帯電話事業者に免許が与えられていて事業者しか増幅したりできません。
開発担当
電波を増幅する中継装置の場合、電波法や電気通信事業法に触れるし、みんなの通信を妨害することになるので困ったものだね。
携帯電話会社には徹底的したエリアの充実をお願いしたいですね。
電波太郎
ユーザーも良識を持って公共の電波を利用することが必要ですね。