電波感度をよくするケータイ・スポット・アンテナの開発Blog

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アンテナ2台での通話スポット拡張実験

2006.11.14

こんにちは電波太郎です。ワイヤレスで使えるパッシブリピートアンテナは電波法に準拠しつつ、通話可能なスポット空間を作り出す無電源のアンテナです。本来、広い不感エリアを全面的に改善する目的のアンテナではありませんが、今回、2組のアンテナシステムを使い通話スポットがどれだけ広がるのかFOMAを使ってテストをしてみました。
 
【図1】地下通路に2組のアンテナを設置
 
テストを行ったビルの地下通路は、入り口付近から圏外でFOMAは全く使えませんが、幸いにもFOMAの基地局が見通せる場所にあります。
そこで、屋外のアンテナを基地局が見通せる場所(見通し距離約200m)に設置し、屋内用アンテナを地下の入口付近に1台と、通路中ほどに1台設置しました。1台の屋外アンテナで受信し、地下で屋内アンテナに2分配の構成です。
 
【図2】テストをしたシステム構成
 
【図3】実験を行った地下通路の改善イメージ
まずはじめに、入口に設置したアンテナ(アンテナA)だけでどこまで通話が可能になったかをテストしました。
 
(1)アンテナ1台の時
①通路入口側より奥方向へ向けたアンテナAの前では圏外であったものがアンテナマークが3本になり安定通話が可能になりました。
②アンテナAから2m越えたあたりでは、アンテナマークが1本になりましたが発信も可能でした。着信もできましたが、接続まで少し時間がかかっているようでした。
③アンテナAから6m越えたあたり(④の位置)から発信と着信ができなくなりました。しかし、①や②の位置で発信し③位置で通話を続けることは可能でした。さらに④位置でも通話を続ける事は可能でしたが、通話の音が途切れるとすぐに通話が切れてしまいました。
次に、アンテナAからは約6mの地点まで使えた、2台目のアンテナBを設置しました。
(2)アンテナ2台の時 ③①位置と同様、アンテナマークが3本になり発信ができました。
④アンテナマークが1本になりました。発信と着信は可能でした。
⑤アンテナBから3m越えたあたりから途切れだしました。このあたりから発信、着信ができなくなりました。
アンテナを2台使う事により、①〜④までであった通話スポットが①〜⑤まで拡張しました。
 
電波太郎:地下にアンテナを2台つけて通話スポットが少し拡がりましたが、3分配、4分配して通話スポットを3倍4倍にすることはできますか?
開発担当:基地局との立地の関係、受信電波の強さ、同軸ケーブルの長さ等の条件変動を考慮しても、ワイヤレスの場合は1台の屋外アンテナからは2分配まででしょう。
電波太郎:ワイヤードでは1台の屋外アンテナから4分配、16分配しても充分使えましたよね! ワイヤレスだと何故ダメなのでしょうか?
開発担当:電波の損失の度合い(ロス)は空中を伝わるときと、同軸ケーブルの中を伝わる時とでは、全然違います。2GHzの場合、放射された電波はアンテナの1mぐらい先では強さが7000分の1ぐらいになってしまいます。(約38dBの損失)ところが、同軸ケーブルの損失は、約0.2dBほどです。約200倍の違いがあります。また2分配した場合はアンテナから放射する電波の強さが半分になってしまいます。空中伝搬損失の大きいワイヤレスタイプの場合、2分配ぐらいが限度というのはこのためです。
電波太郎:ワイヤレスとワイヤードでこんなにも差があるのはビックリです! でも、使い勝手がいいのはやっぱりワイヤレスですね。もうひとつ質問ですが、分配した2つのアンテナの互いの通話ゾーンをまたいで使う事はできますよね。
開発担当:それもテストしてみました。アンテナから1mのところ(①の位置)から8m先(⑤の位置)まで通話しながら歩いて試しました。アンテナから1mのところはアンテナ3本でしたが、歩きながら移動した5m先の(③の位置)はアンテナ1本に。しかし、通話は途切れずに6m先(④の位置)まで使えました。2つの通話ゾーンをまたいで使えることがわかりました。結果的に使えるエリアが広がりました。
電波太郎:もっと通話可能スポットを広くできますか?
開発担当:通話スポットの広さは、基地局とのロケーション立地、受信電波の強さ、アンテナ利得、同軸ケーブルの長さ等で決まってきます。電波を強く受信するにはより利得の大きい(大きなアンテナ)を使い、ロスの少ない太い同軸ケーブルを使用すればいいのでしょうが、現実的にはあまり大きいアンテナは設置上好ましくなく、太いケーブルは配線するのが難しくなります。パッシブアンテナを必要とされる、それぞれの方の限られた条件(制約条件)の中で、最大の効果を得ることができるようなパッシブ・リピート・アンテナの商品化を目指しています。
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