こんにちは、電波太郎です。
今回は、8階建てビルの1階奥にある、ピアノバーのお店をお尋ねしました。
最近、ボーダフォンの旧機種から3Gに機種変更をしたところ、以前は店の中でも使えていたケータイがまったく使えなくなってしまったとのことで、当ブログに相談を頂きました。
お店を経営されている奥様に伺いました。
お店の名刺には、ケータイ番号やアドレスを表示しているので、お馴染みのお客さんはご来店の前にお店の席の込み具合などを電話されることがあり、ケータイで連絡が取れなくなったために大変困っているとのことです。
ケータイがつながらなく、メールの返信もないので「きっと店が忙しいのだろう」と思い込んで、来店されなかったお客さんもあったようです。
解約するにも高価で、機種変更をしたばかり。おまけに、長期割引の中途解約違約金も請求されるので、大変困っておられての相談でした。
お店周辺のボーダフォン3Gの電波状態
3〜5階前後の建物が密集していますが、車道に面したビル玄関ではアンテナピクトは「3本」、1階奥のお店のドア前でアンテナは「1本」になるなど、通話やメールは正常にできる状態でした。
しかし、お店の中は、ほとんどの場所で圏外です(たまにアンテナマークだけの表示になることもあったがケータイは使えません)。
加えて、お店の内装を防音にしているため、ボーダフォン2Gでは入っていたのが、3Gでは入らなくなったようです。これは、ボーダフォンの基地局との立地関係もあるようです。
ちなみに、お店の中は同じ2Gの周波数を使うFOMAは使えるとのこと(800メガのauは勿論入るそうです)。

【図1】実験を行ったお店の周辺イメージ図
早速テストを行いました。
お客様がお使いの機種は、ボーダフォン905SHです。
905SHはアンテナ端子が付いていません。最近のボーダフォンの機種は、メーカーを問わずアンテナ端子はほぼ全てなくなってきています(以前までSHやNはあったのですが…)。
そのため、ボーダフォン純正の外部アンテナが使えません。
【図2】アンテナ設置イメージ
まず、ビル玄関で電波状態の良いアンテナピクト3本のところに指向性アンテナを設置しました(この場所からはボーダフォンの基地局は見通せません)。
ビル玄関に設置したアンテナから同軸ケーブルを25m引き伸ばして、お店のカウンターに再放射アンテナを置きました。【図2】
◆パッシブリピートアンテナ設置後
圏外であったのが、再放射アンテナ付近でアンテナマーク1本に変わりました。【写真1】
カウンターに設置したアンテナから1m以内の場所では、通話も可能になりました。
アンテナ直近では、携帯電話の着信も発信もできましたが、1m以上離れると通話の途切れが発生し、通話できなくなってしまいました。
アンテナからもう少し離れても使えるよう距離が必要ですが、玄関に設置した入射アンテナが受信しているビル周辺の電波がもう少し強くなければ、これ以上の距離延長の実現は難しいようです。
今回は、基地局が見通せない場所に入射アンテナを設置しましたが、はっきりとしたアンテナの効果を得るには、基地局が見通せるところに設置することが必要ですね。

【写真1】カウンターに設置した再放射アンテナと905SH
(アンテナマークが圏外から1本になった範囲)
今回のような電波環境では、ワイヤードタイプが適していますが、ボーダフォン905SHそのものにアンテナ端子が搭載されていないので、対処できませんでした。
「端末はグローバル仕様にして原価を抑える」というボーダフォンのグローバル戦略のもとで外部アンテナ端子が省略された結果、解決の選択肢さえユーザーから奪ってしまった気がしてなりません。
ボーダフォンからソフトバンクに変わってもこの流れは不変なのでしょうね?
ソフトバンクは来年3月までに3Gのエリア拡充として基地局を46,000局にすると発表していますが、よりきめ細かなエリア整備が必要とされている都市部の実態を目の当たりにすれば、膨大な作業になるでしょうね。
今回ボーダフォン3Gユーザーの方の電波不感ストレスを目にし、パッシブリピートアンテナ完成の思いを改めて強くしてお店を後にしました。