電波感度をよくするケータイ・スポット・アンテナの開発Blog

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高層オフィスでの簡易なケータイ不感対策(FOMA編)

2006.07.31

こんにちは、電波太郎です。
都心部の大規模ビルや地下では、ここ1年ほどでFOMAの不感エリア対策が進みつつあるようです。
でも、FOMAの電波状態にストレスを感じているオフィスはまだまだ多いですね。
 
今回は都心の高層オフィスビルの26階にあるIT関連の会社に伺って、アンテナ分配システムの実験を行いました。
 
こちらの会社の技術営業の方は、日中に出先からお客様に携帯電話で連絡をすることが多くあり、
お客様からの連絡も担当者の携帯電話に直接入ることも多くなってきているとのことです。
この26階では、FOMA の電波状態が場所によって違うため、お客様からの電話がつながらなかったり、通話中に途切れたり、切れたりして大変気を使うとのことでした。
 
具体的にどのような現状なのか、総務担当の人に詳しくお聞きしました。
 
・窓際ではアンテナマークは「1〜3本」で電波は不安定ながらなんとか使える。
・オフィスの奥側のスペースは「アンテナマークのみ」もしくは「圏外」。
・一番奥は「圏外」で、通話、メールとも発信着信ができない。
・着信できないことが、特に不便。
・社員はオフィスからかけるときは固定電話を使うようにしているので特に不便は感じませんが、
携帯電話にかかってくる場合が困る。
・こちらが「圏外」のことは相手には伝わるけれども、いつ、どこからかかってきたか
こちらは分からないので、とても困る。
・その為、圏外だと落ち着かない。
・お客様は担当者にかけて圏外の場合、会社の電話にかけるなど2度手間をかけている。
・来客の応接が圏外で、お客様が携帯を使えないので非常にご不便をかけている。
………などなどでした。
 

【写真1】高層階からの眺め
 
【図1】超高層オフィスのお客様の電波環境
 
電波は窓から建物内に入る時に、「建物侵入損※」で弱まります。
窓側では、不安定ながらもなんとか使えるのはこの状態です。【図1】
奥へ行くとパーテーションやキャビネット、ロッカーなどが電波の侵入の邪魔をしているようでした。
障害物がなくても、電波は空気中を伝わるとき次第に弱まっていきますが、途中に障害物があるとさらにに弱くなります。
そのため、オフィスの奥側が「圏外」になってしまっています。
 
※建物侵入損(penetration loss)は建物内と屋外の境目付近と建物内中央部における受信レベルの差のことをいい侵入損はビルの大きさ、構造により変化しますが、都市部における測定結果によれば、平均値は20dB程度の損失があります。
(参考)森永隆広監修「移動通信−理論と設計−」電子情報学会編
 
【図2】アンテナ分配システム構成図
今回の実験は、指向性アンテナから分配器を経由してFOMAを4台繋いで不感の解決をするものです。
 
 
【図3】超高層オフィスのお客様の電波環境(アンテナ設置後)
まず窓際の腰壁の上に指向性アンテナを置き、音が良くてアンテナマークが3本で安定する方向を見つけました。アンテナから同軸ケーブル(30m)を奥のスペースまで引き込み分配器を経由してFOMAにつなぎました。
【図3】
 
営業マン:
おお〜っ!アンテナマークが「0本」から「3本」に・・・
 
電波太郎:
では、着信できるか試してみましょう。
固定電話からかけると・・・・・
 
携帯電話:
「♪〜〜・・・」
 
営業マン:
おおっ!! もしも〜し!・・・いけますね!
このままのずっと通話できるかどうかですね?
 
電波太郎:
そうですね。
2〜3分、このまま診てみましょう。
 
3分ほど話しましたが、安定して音もクリアです。
何回かテストしましたが、まったくスムーズな着信と安定通話が確保できました。
 
通話の発信やメール発信も行ってみました。
今までは窓側でさえ発信には時間がかかっていましたが、スムーズに発信できました。
 
営業マン:
会社で取引先と携帯で話しするのは不安だったんですが、これなら安心ですね。
ストレスなく使えそうです。
アンテナ、このまま置いておいてくれませんか?
 
電波太郎:
ありがとうございます!完成しましたら、すぐ設置させていただきます。よろしくお願いします。
 
今回の実験では、指向性アンテナで不要な電波をカットして必要な電波だけをキャッチし、加えて、空中を飛んで大きくなる電波の損失(建物侵入損)を同軸ケーブルで少なく抑えて、
オフィスの奥で同時に4台のFOMAケータイが使えるよう解決できました。
 

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