前回、市内にお住まいの私どものお客様が「最近オフィスで携帯電話が使えなくなって困っている」ということで携帯電話会社〇〇さんに電波調査をお願いしたところ、「違法中継装置」が原因と判明。携帯電話会社〇〇さんから通信局の電波監視課に通報していだだきました。
今回はその後の状況を聞きに電波監理部電波監視課に伺ってきました。
電波太郎:
先日、携帯電話会社の〇〇さんから市内の○○で違法中継器の通報があったと思いますが、
その後の状況を教えていただけますでしょうか?
電波監査官:
はい。携帯電話会社の〇〇さんから報告があった場所は、以前から「違法中継装置」の障害が多いところで、監視課も現場に出向いて確認し、違法な電波が出ているのですぐに中継装置の使用を止めるよう指導しました。
電波太郎:
その場で停止、撤去は行えないのですか?
電波監査官:
財産権などの関係で、その場ですぐに強制撤去するのは難しいんです。
裁判所や警察との連携も必要になりますので。
行政としては、まず違法中継装置を発見した場合、速やかな使用の中止と撤去を求めます。
また違法な中継装置を使っている方には、たとえ違法と知らなかったとしても電波法違反で処罰の対象となること、中継装置を設置できるのは携帯電話事業者※に限られていることなどを説明します。
※携帯電話事業者=株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ、KDDI株式会社 (au、ツーカー) 、ボーダフォン株式会社
電波太郎:
なかなか難しいですね。監査官の皆さんは違法な装置に対する指導を数多く実施していらっしゃると思いますが、実際のところ違法中継装置はどれくらい稼動しているのですか?
電波監査官:
正確な数はわかりませんが、この地域には相当数ありますね。
今回通報があった場所では7件の違法装置を発見し、7箇所を指導しました。
当然のことながら繁華街に多く、日々巡回して指導を行っています。
ただ、昼間は留守というところも多いので、夜に出かけて指導することもよくありますよ。
最初の頃は、使用者は違法と知らずに設置していたケースが多かったですね。
最近では広報キャンペーンなどでかなり告知されてきたのですが…
電波太郎:
撲滅できるのでしょうか?
電波監査官:
装置を発見しても、それが私人や法人の所有物である以上、行政が撤去することは出来ないんですよ。
最近では違法装置を天井裏や箱の中などに隠したりしているケースもあり、視認も簡単でないです。
摘発、告発するためには、実際に妨害波になっていることを証明しないといけないうえ、
強制撤去させるには立件する必要があるので、
屋外のアンテナから室内のアンテナまでのケーブルを正確にたどっていかなければならないんですが、ビルやテナントの中を勝手に調査することはできません。
令状の取得など、いろんな障壁があって苦心しています。
電波太郎:
とても歯痒いですね!
1台の違法中継装置が多数の携帯電話の通信を妨害しているのに・・・
違法装置の製造や販売を根本的に規制することはできないんですか?
電波監査官:
平成17年に総務省より製造・販売業者に対して製造販売停止の強い通告を出しています。
電波太郎:
でも、「ウェッジ」という雑誌にはまだそれらしき装置の宣伝広告が載ってましたけど?
電波監査官:
あれは、3月末までの広告枠で契約し決済済みだったようで…
もう終わります。
電波太郎:
昨年、携帯4事業者共同中継装置が発表されてましたね…
電波監査官:
違法中継器対策として期待しているんですが、まだ関東地域(1都7県)に限定されていることや、4社の携帯がすべて圏外でない場合…例えばドコモとauが圏外でボーダフォンが圏外でないといった場合は、各携帯電話会社の足並みがなかなか揃わないという問題もあるようです。
電波太郎:
そうなんですか!?
電波は公共の資源。私たちの生活は電波なしではもはや成り立ちません。
今後はこの傾向がもっともっと強くなっていくと思います。
u-Japan計画はワイヤレスが中心であり、最も生活に身近なワイヤレスはケータイ。
利用する我々も良識と節度を持って利用したいものです。
総務省電波利用ホームページ
電波太郎:
しばらくして、その後の電波状況をお聞きするため、お電話を頂いたお客様を数週間ぶりに訪問しました。
担当者にお会いしたところ、
「今は障害もなく、正常に使えるようになりました。」
「ありがとう!おかげで助かりました!」との言葉をいただきました。
【参考】
不法無線局の措置状況(総務省ホームページより)
不法無線局には不法パーソナル、不法アマチュア、不法市民ラジオがありますが
中継装置はその他に含まれています。
比率的には多くありませんが、存在数は圧倒的に多いようです。