電波感度をよくするケータイ・スポット・アンテナの開発Blog

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高層階でケータイが繋がらない問題を解決

2006.02.15

こんにちは、電波太郎です。
私たちのブログに「マンションに住んでいるが、ケータイが繋がらなくて困っています」
「家で携帯電話が使えなくて閉口しています」といったご相談がよく寄せられてきます。以前このブログでも、タワーマンションの現状パッシブ・リピート・アンテナでの改善テストを行ってきました。
 
【図1】高層階での携帯電話の電波
 
アンテナマークが「3本」であるにもかかわらず、通話の音が途切れるなど音が悪かったり、突然通話が切れたり、呼出しをしても圏外アナウンスが流れるといった症状になっています。なぜ、「高層階で携帯電話が使えない」というような現象が起こるのでしょうか?
それは、携帯電話は最も近くにある基地局(電波が強い基地局)と通信します。しかしながら、タワービルやタワーマンションなどでは見通しが良いため、少し離れた別の基地局からの電波も飛んできて「干渉波」として受信してしまうからなんですね。【図1】そこで、通信しようとする基地局の電波(希望波)だけを受信する指向性アンテナを試作し、実験をしてきました。
 
【図2】実験を行ったビル周辺のイメージ
実験を行ったところは高層の建物が建ち並ぶところで、このビルの44階の窓からは複数の基地局が見通せる環境でした。【図2】
 
【図3】実験を行った高層フロア(44階)
 
44階の高層フロアで携帯電話の発着信をしました。
【使用携帯】
NTTドコモ FOMA P901iS,N900iS
 
電波太郎(44階):
まずは、44階の窓際から1階に待機している相手に発信のテストをしてみました。
アンテナピクトは「1本」です。
pupupupu・・・」。つながるまでに10秒以上かかりますね。長い。しかも、つながってからは、音が良くないというか今にも切れそうなつながり方です。
 
開発担当(1階):
確かに、切れそうだし音が途切れて話にくいね。
じゃあ、次はこちらからかけてみるね。
1階から44階の電波太郎にかけてみました)
pupupupu・・・」。 「おかけになった電話は電波の届かないところに…」
(もう一回発信します)
pupupupu・・・」。こんどは、話中の音になりました。
 
44階の窓際では、少し時間はかかるけどつながりました。でも、音は良くありません。
逆に着信の場合は、かけてきた相手に「圏外」アナウンスが流れてつながりません。何度かかけ直してやっとつながりましたが、つながっても、すぐ通話が切れてしまいます。
 
次に
窓際から20mほど建物の奥に入ったところで、発信テストをしました。
アンテナピクトは「1本」です。  【図3】電波太郎君のいる所  
この場所での発信は、何度か繰り返すせばつながりますが、着信の場合は、まったくつながりません。
Webやメールは送信、受信とも使えませんでした。
圏外なら諦めもつくのですが、アンテナピクトが立っている状態なので、かなりのストレスです。
なんとも歯がゆい気分になりました。
 
どうやらここは電波が干渉している場所のようです。
これと似たような症状での相談がこのBlogに多く寄せていただいています。
 
次に市販されている無指向性アンテナを試してみました。
 
【写真1】ドコモ純正室内用アンテナ
 
電波太郎:
最初に窓際のガラスにペタッとドコモ純正室内用アンテナを貼り付けてみました。【写真1】
アンテナピクトは1本で変化はしませんでしたが、発信するとスムーズにつながりました。通話中は時々途切れはありましたが、アンテナがないときに比べると、アンテナが固定されているためでしょうか、通話が安定しているように感じました。
断然、こちらの方が通話の声が聞き取りやすかったです。
次に、窓際から20mほど建物の奥に入ったところで、室内アンテナを使用しました。
アンテナピクトは「1本」で、発着信、メールとも使えません。
この場所はもともと電波があまり届いていないのか、無指向性アンテナを使っても症状はあまり変わりませんでした。
 
無指向性のアンテナの適する用途は、使いたい周辺の一番電波の良いところに設置して、
ケータイが使えなかったところまでケーブルを使って電波を持ってくるイメージです。
無指向性のアンテナは、電波がもともと届いていない場所や届いていても干渉しているような所では効果を発揮できないのです。
 
【写真2】試作指向性アンテナ FOMAやVodafone3Gの2000MHz帯の携帯電話に使用できます。
 
開発担当:
じゃあ、試作した指向性アンテナを使ってみよう。指向性アンテナを簡単に説明すると、一定方向の電波に対しての受信性能を上げて、他の方向からの電波を受信しないアンテナです。希望波のある方向にアンテナを向け、他の方向にある干渉波の受信を抑えることができます。
 
 
電波太郎:
窓際から20mほど建物の奥に入った【図3】の電波太郎のいる所でFOMA用の試作指向性アンテナを接続し発信してみました。【写真2】
ただアンテナを繋げるだけでは、先ほど試した無指向性アンテナとさほど変わりません。
アンテナを通路に沿って窓方向(電波到来方向)に向け、「この方向かな?」「いや、この方向かな・・・?」と、ゆっくり動かしていくと、すごく音が安定する場所が見つかりました。
「この方向だ!」というところで、アンテナの方向を固定しました。
すると、アンテナピクトが「1本」から「3本」になりました。
発着信は、とてもスムーズになりました。音もクリアです。さらに、メールもスムーズにできました。
 
開発担当:
電波太郎君がアンテナを向けた方向は、希望波が飛来してきている方向になります。
干渉波を抑えて希望波をより際だてることで通話を安定させるのが指向性アンテナの特性なんですね。
高層階など、電波が干渉して携帯電話が使えないような場所や、無指向性のアンテナでは効果がなかったところでも、指向性アンテナによって通話品質の改善ができることが確認できました。
 
Vodafone3Gやauの実験についても、これからやっていこうと考えています。
 

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