こんにちは、電波太郎です。
先日、ある大手の家電量販店に行って携帯電話用の外部アンテナを探しました。
「あれ?携帯の外部アンテナが売り場に置いてない!」
店員に聞くと、「お買い上げ後のクレームが色々多くて取り扱いを止めました!」
携帯のアンテナに関わるものとしては、少なからずショックでした。
ユーザーの立場からすれば、「買ってよくなったよ」ということを聞く一方で、「買っても全然ダメだった」という人もいたりして、「実際の効果があるかどうかわからない?損するかも?」といった疑心暗鬼の心理があるようです。
「なぜそうなったんだろう?」
今までにこのブログでも携帯が使えない場所ごとに、電波の環境や状態が違うことを紹介してきました。
当然のことですが、アンテナを選ぶときに環境に合ったものを選ばないと、効果は期待できません。
しかし、現状は市場には価格的にも様々なアンテナが流通していますが、その選び方については、ユーザーサイドに立ったわかりやすい情報があまりにも少ないように思います。
そこで、今回から数回にわたって『携帯電話用の外部アンテナ選びのポイント』について、実際に市販されている商品を使いながら整理してみたいと思います。
【図1】一般的にケータイの電波が悪いといわれる場所
1. 高層マンション・ホテルなど
高層階では見通しが良いために多くの基地局の電波が届いてしまい、さらに部屋の奥では到来した電波が弱くなってしまいます。「窓際では使えるけど部屋の奥では使えない」とか、「窓際は使えないが部屋奥の方がいい」という、その反対のケースもあります。
それらのケースでは、アンテナピクトが「3本」なのにケータイの発着信ができない、メールが使えない、通話中に音が途切れたり切れてしまったりするような症状がみられます。
2. 丘陵地の住宅
都心のマンション・ホテルと同じく、見通しが良いために、多くの基地局の電波が届いてしまいます。また「窓際では使えるが、部屋奥では使えない」、「日によって携帯の発信、着信がまったくできなかったり」、「電話を何度かけてもすぐに音が悪くなって通話が切れてしまう」といったような症状です。今回のテストユーザーさんの中には、「家では固定電話を使ってかけます。かけてもらうのも固定電話」という方もおられました。
3. ビル地下の通路や店舗など
地上では携帯が十分に使えてもビルの地下へ入った途端に使えなくなることがよくあります。地下で待ち合わせの時や地下の飲食店では連絡が取れず不便ですよね。
また、階段などの空間を通して電波が入り込んできますが、電波は地下の通路を曲がって伝わる事ができないので、壁などに反射しながら奥へ入り込みます。そのために感度がどんどん弱くなって、圏外になってしまうようなところです。
4. オフィスなど
「窓際では携帯が使えるけど部屋の奥へ行くと電波が届かなって携帯が使えない」というオフィスも、最近よく耳にします。また、タワービルのオフィスでは高層マンションやホテルと同じような症状も最近増えてきているようです。
5. 山間・僻地など
携帯電話基地局が遠い為に電波が弱く「圏外」になってしまうような場所です。
電波の環境は大雑把に言えばこんな感じですが、これらの環境を改善するアンテナには
どのような種類があるのでしょうか?
アンテナには大きく分けて「指向性アンテナ」と「無指向性アンテナ」の2種類のタイプがあります。
【図2】アンテナの種類と受信方向
通常、携帯電話の内蔵アンテナは「無指向性アンテナ」といって全方向(360度)から電波を受信するアンテナです。無指向性アンテナは【図2b】のようにすべての方向に対して受信するため、1つの方向から届く弱い電波を受信する力(電波を集める力)は少なくなります。
それに対して、「指向性アンテナ」というものがあります。
「指向性アンテナ」は一つの方向へ対して受信する力を高めます。【図2a】
アンテナを向けた方向から来る必要な電波だけを受信するようにできるので、より強い力の電波としてキャッチすることができます。
丸い風船の中の空気密度に例えると、風船を両手で押さえ込むと風船は細長くなりますよね。
もともとある空気の絶対量は変わらないので、押さえ込んだ風船の中の空気の方が密度は濃くなりますよね。これが受信レベルの強さです。
指向性アンテナとは、このような特性をもったアンテナです。
電波状態とアンテナとの関係をあえて大雑把に思い切ってまとめてみると
【図3】電波状態とアンテナとの大雑把な関係
高層マンションや丘陵地の住宅のようなところで、「無指向性アンテナ」を使う場合、アンテナを置く窓際では携帯は使えることが基本でしょう。少し離れると使えないようなところ向きです。窓際でアンテナピクトが「3本」立っていても、もともと不安定な場合は要注意です。
このような場合、一般的には多くの電波が届いて相互に干渉しているので、全方向から電波をキャッチする「無指向性タイプ」のアンテナを使っても改善になりにくいでしょう。
「指向性アンテナ」は不要な電波をカットしつつ目的とする電波を受信するタイプなので環境的には適しています。
ビルの地下や山間、僻地などで電波そのものが届いていない場所では、外部アンテナをつけても電波を受信することができません。
しかし、少しでも届いておれば、風船の例で紹介したように「指向性アンテナ」によって使えるようにできるでしょう。
次回から数回にわたって、携帯が使えない様々な電波環境で市販されているアンテナを使って効果を確認します。
また、ユーザーの方が簡単にできる電波環境の判別方法やアンテナ選びのポイントなども
まとめて行きたいと思います。ご期待ください。
今回、テストで使ってみるアンテナ
●指向性アンテナ
・ キャリポケアンテナ(ドコモエンジニアリング)
・ らくらく通話アンテナFOMA DX(東洋コネクター)
●無指向性アンテナ
・FOMA外部アンテナ(NTTドコモ)
・ボーダフォン3Gアンテナ(Vodafone)
・cdmaOne簡易アンテナ(KDDI)
・らくらく通話アンテナFOMA(東洋コネクター)