電波感度をよくするケータイ・スポット・アンテナの開発Blog

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FOMA、Vodafone3G用の指向性アンテナを試作

2005.12.14

こんにちは、電波太郎です。
前回の実験で、「電波が相互に干渉している場所」では市販されている無指向性のアンテナは効果を期待できないことがわかりました。
無指向性アンテナ360度、全方向から電波を受信するので干渉波まで受信してしまい、
干渉を改善することができないためです。
 
そこで、指向性アンテナを試作してみました。
アンテナの指向性によって干渉波をカットし、目的とする電波だけを受信できるようにすることでケータイを使えるようにできるか実験してみました。
 
テストした場所はタワーマンションの35Fで、FOMAとvodafone3Gが使えない弱電干渉のところです。
 
【図1】指向性アンテナのテスト環境
 
【実験をした場所】高層マンションの高層階(35階)
【実験場所の環境】弱電干渉
【使用した携帯】 NTTドコモ  N900is (FOMA)
           Vodafone V802N  (Vodafone3G)
【実験した場所の現状】
・アンテナピクトは「1〜2本」の間で変動する。
・ 発信してつながるまでに時間がかかる。(15〜20秒くらい)
・ 発信ができないときがある。
・ かかってきた電話を取ると、すぐに切れてしまうことがある。
・ こちらは圏外でもないのに、かけできた相手には「圏外」のアナウンスが流れる。
・ 通話中に音の途切れやアラームが鳴り、音質が悪く相手の声が聞きづらい。
・ 通話中に突然無音になって切れてしまうことがある。
・ メールやWebがなかなかつながらない。
・ メールが1回で送れない。
Webが途中で切れてしまう  など…
 
【写真1】タワーマンション
 
指向性アンテナが干渉に効果があるか、テストしてみました。
【試作した指向性アンテナと使用した携帯】 
 
■ ドコモ   N900iS (FOMA)
Vodafone V802N (Vodafone3G)
 
【写真2】左FOMA N900iSと試作アンテナ 右Vodafone V802Nと試作アンテナ 
 
窓際でFOMAとVodafne3Gの基地局を探しましたが、高層階なので肉眼ではよくわかりません。アンテナを動かしアンテナピクトが「2本」でほぼ安定する方向にセットしました。
FOMAに関しては、試作したFOMAインジケータでも受信電波のレベルをチェックし
アンテナの方向を確認しました。
これで、FOMA、Vodafone3Gの指向性アンテナのセット完了です!
さて、まずは発着信、通話、メール、Webのテストです。
以下、FOMA、Vodafone3Gともほぼ同じような結果でした。
発信は1回ですぐつながりました。携帯電話だけでの発信や、無指向性のアンテナを使った時は、何度も発信しないとつながりませんでしたが、今回は1回でつながりました。
加えて、繋がる時間も早くなりました。
電話がかかってきたときは、取ってもすぐに切れることがありましたが、今回は普通に通話できました。
 
通話中の音の途切れやアラームなどはなく、安定したように感じました。
通話中に音が悪くなっていきなり切れることがありましたが切断はありませんでした。
(テストは1回約2分の通話を5回発着して実施)
 
次に、メールとWebのテストを行ないました。
つながりにくかったメールやWebが早くなりました。
iモードメールを5回送信してみましたが、4回はすぐに送れました。1回だけ少し時間がかかりましたが送信はうまくいきました。
Webも途中で切れてしまうことなく、普通に使えました。
これならストレスなく使える感じです。
  
アンテナの指向性によって受信面以外の干渉波をカットしているために、干渉が軽減されているのでしょう。
発着信、通話、メール、Webが安定したことを体感できました。
 
実際の受信電波状態の変化を、エリアテスターで測定し、データとして確認しました。
指向性アンテナをつないだ時とつながない時の測定値を【表1】【図2】に表してみました。
アンテナの指向性によって、他の干渉波がカットされ、目的となる受信電波が相対的に
抜き出ています。
 
【図2】指向性アンテナをつないだ場合とつながない場合のEc/No値の変化
 
 
指向性アンテナをつながなかったときは、電波状態が不安定で電波の変動が大きくなりました。
一番電波状態の良い方向へ指向性アンテナを向けて携帯電話に接続すると、希望波のEc/Noがよくなり(12.2dB→8.8dB)、通話も非常に安定しました。【表1】(a)→(b)
 
【まとめ】
今回ような弱いレベルの電波が多く飛んできて互いに干渉している高層階の弱電干渉では、指向性アンテナが効果を発揮することが充分に体感できました。
 
指向性アンテナではアンテナを向けた方向以外からの干渉波を受信しないので、
干渉に有効で、発着信や通話の安定感やメール、Webのスムーズさを体感しました。
 
【図3】指向性アンテナ動作イメージ
 
干渉によって携帯電話が使えなくて不便を感じているタワーマンションの居住者の方は少なくないと思います。
 
今回試作してテストした指向性アンテナは携帯電話とケーブルでつなぐために、
より安定した通話が可能になりました。
 
現在開発中のパッシブ・リピート・アンテナのようなワイヤレスではありませんが
近々、オンラインショップ「ケータイどっとこむ」で皆様にご案内できるように
準備をすすめております。お楽しみ!
ご意見など是非、お寄せください。

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