電波感度をよくするケータイ・スポット・アンテナの開発Blog

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人は携帯電話の電波を遮るのか?

2005.11.04

前回、圏外でケータイが全く使えない場所がパッシブ・リピート・アンテナを付けることにより、
・ 屋内のアンテナから6〜7m先まで安定した通話ができるようになりました。
・ 少し途切れはあるが7m〜10m先までは、おおむね使えるようになりました。
・ 屋内アンテナの前で通話を開始し、13m先まで通話を保持できました。
・ 同時に複数の携帯が使えることも確認できました。(実験では4台)
・ 再放射した電波は強くはないが、かなりの距離まで良いEc/No値を保っていました。
 
しかしながら、実際に携帯電話が使われるのは実験した環境とは異なります。
たとえば、アンテナの前でじっと静止して通話するとは限りませんし、通話中にアンテナの前を他の人が横切ったりすることもあります。
このように、屋内アンテナから放射する電波を移動する人などが遮った時に、電波環境がどのように変化し、影響があるのかを実験してみました。
 
【測定機器】 アンリツML8720B  ボーダフォンV902T
 
◆実験1.屋内の指向性アンテナと携帯電話の間に人が立つとどうなる?
 
【図1】
(A)屋内アンテナの2m先で通話中に、(B)アンテナの前に㈪の人が立ち、通話している携帯㈰が㈪の影になるようにして実験をしました。
 
結果1.通話は問題なく可能だった。
人が遮ることで、アンテナから2mのところの電波強度が4mくらいの電波強度に落ちていましたRSCP値で4.4【dBm】低下。
 
RSCP −102.3【dBm】が−106.7【dBm】 
Ec/No6.7【dB】が−7.3【dB】
アンテナピクト1本→1本
 
そこで、アンテナから10m先(通話中の電波がギリギリの所)で人の影になってしまうと通話品質アラームが鳴り、音質の劣化が見られました。
しかし急に通話が切れたりするようなことはありませんでした。
 
◆実験2.アンテナに向かって通話した場合と、アンテナに背を向けて通話した場合電波の強さはどう変化するのでしょうか?
 

【図2】
アンテナのある方向に携帯電話を向けて、通話した場合のRSCP値の変化を記録しました。
 
結果2.携帯の通話では特に変化は感じられませんでした。RSCP値が9.0【dBm】低下し、アンテナから1mのところの値が、3mぐらいのところの電波強度に変化した。
RSCP −93.0【dBm】が−106.0【dBm】 
Ec/No5.0【dB】が−7.3【dB】
アンテナピクト 2本→1本
 
◆実験3.屋内アンテナの正面でなく、外れた位置は正面に比べてどれくらい電波の強さが変わるのでしょうか? 
 
 
【図3】屋内アンテナの向きより外れた位置で測定
 
アンテナ真正面1mの位置㈰ 逸れた位置㈪㈫にて測定した。
結果3.屋内アンテナは指向性アンテナですが、ほとんど違いは感じられませんでした。
RSCP −93.0【dBm】が−95.3【dBm】 
Ec/No −4.7【dB】が−5.0【dB】
アンテナピクト 3本→3本
 
屋内アンテナは指向性アンテナであるため、アンテナの向きから外れた位置だと電波が弱くなってしまうと思われていましたが、1m先の㈪㈫位置では途切れたり、切れるといったことがなく、通話に影響ありませんでした。
 
実験の結果により
アンテナから出る電波は、少なからず人の影響を受けることがわかりました。
効率のいいケータイ通話スポットを実現するには
・屋内アンテナの最適な再放射角(指向性)の設計
屋内アンテナの設置場所や取付け方法などを工夫する
ということが必要です。
 
屋内アンテナの取付けにも関連することですが、建築材のよる携帯電波の透過ロスに関する参考資料がありました。
 
【資料】
 
【図4】建築材透過損(出典:西尾、加冶:昭59信学光・電波全大、No35)
部屋の仕切りに使われる木板や、石膏ボードは影響が少ないですが、窓に使用されている熱遮断フィルムや壁面に内蔵される断熱用グラスウールは影響が大きいと思われます。
 
次回は、ビル地下のau編です。
FOMAやボーダフォン3Gを実験した同じ所で行いました。
auは800MHz帯の電波を使っていますが、「ケータイ・スポット・アンテナによる、改善のBefore−After」をレポートします。
 
 

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