高層階での電波測定の2日目は雨、少し肌寒く外気温は12℃前後でした。加えて、霧がかかっていて2キロほど先までしか見通せませんでした。従って、初日と同じ場所で測定しているにもかかわらず、測定値が少し違っていることに気づきました。通話テストをしても快晴だった初日よりもこの日はなんとなく電波の調子が良いような感じでした。【写真1】
【写真1】雨の日の景観
今回も、電波の干渉や建物内部への電波の到達具合などの測定調査を、FOMAの実際の使用感とともに実施しました。【図1】
【図1】高層ビル内の環境
【測定機による測定の結果】
アンリツ製W−CDMAエリアテスタML8720Bを使用し測定を行いました。
定点を決め、アンテナを垂直にした状態で測定しました。【写真2】
【写真2】エリアテスタでの測定
【雨の日、電波が良くなったところ】
場所:①位置
快晴だった初日は、この場所はFOMAの発信はできるけれども、着信がしにくい状態でした。
雨模様のこの日は着信も正常できていました。希望波受信電力(
RSCP)は晴天のとき(b)に比べ雨天のとき(a)の方が悪くなってはいますが、他の電波(干渉波)を受信していないためか、
Ec/Noは変化していませんでした。また初日と比べて電波(希望波)の変動幅が比較的小さくて安定しているように感じました。
【表1】窓際①位置での測定値
場所:③位置
この場所は晴天のときは弱い電波が互いに干渉し、5回のうち2回しかつながらなかったところです。測定上では初日と同じように干渉はしていますが、着信はほぼできる状態でした。10秒以上かかっていた接続も、10秒以内でつながりました。初日は通話中の音の途切れや品質アラームが鳴ることもありましたが、この日は少し良くなり通話は普通にできました。
雨の日のほうが良い使用感となりました。
【表2】③位置での測定値
【雨の日、電波が悪くなったところ】
場所:②位置
快晴のときにはこのあたりまでは「繋がってしまえば安定するぞ!」といった場所だったのですが、雨の日では通話が途切れたり発信に時間がかかったりしました。希望波の
RSCPが低下しそれに伴い
Ec/Noも悪くなっていました。つまり、電波の品質(
RSCP、
Ec/No)が悪くなっていたのです。
【表3】②位置での測定値
【まとめ】
今回、快晴と雨の日にテストを行い、天候により電波環境が微妙に違うことが分かりました。
一般的に周波数の高い電波は大気中を伝わるとき、雨、雪、霧などに含まれる大気中の水分によって吸収・散乱され減衰するといわれています。2000MHz(2GHz)の周波数を使っているFOMAの電波も、天候や気温によって状態が微妙に変化していることが今回の実験で改めてわかりました。
1日目(晴天):
・ 大気が乾燥し降雨減衰の影響がなく遠い基地局からの電波が届いていた。
・ 電波が良く飛んでおり干渉波も多く飛来していた。
2日目(雨天):
・ 降雨減衰によって、遠方の基地局から飛んでくる電波が減衰し弱くなって届くので、携帯電話がそのような電波を干渉波としてキャッチすることがなくなり、環境としてはかえって良くなった。
・①の位置のように干渉波の受信・レベルが低くなった結果、希望波を受信しやすくなって通話が安定したと考えられます。
・ 逆にもともと電波が飛んできにくい弱電界の場所では雨の日などでは受信レベルが全体的に低くなるので、さらに使えなくなってしまうかもしれない。
タワーマンションでは部屋や場所にによって、使えないようなこともあるかと思います。
いつもは使える場所でも天候などにより電波環境が変化して使えなくなってしまうようなことがあるかも知れないですね。高層マンションにお住まいでこのような体験をされている方でこのような体験をされた方はおられませんか?
天候によって部屋の中で電波を追いかける生活は不便ですよね。
「ケータイが使えないタワーマンションでストレスなく携帯が使えるようにしたい」と
今回のテストで改めて感じました。
次回は、超高層階でのアンテナ実験の結果と課題をまとめてみます。
(追記)
私の家では「このようなときに携帯が使えなくなる」「雨の日などに携帯が繋がりにくくなった、繋がりやすくなった…」「こんな事をしたら使えるようになった」といったさまざま体験のコメントなどいただければありがたいです。