3mぐらいだし、携帯電話を持ってちょっと動いても窓際に置いているアンテナが倒れたり落ちたりして使いづらい」
「ケーブルが邪魔だし、スッキリしない」
「ケーブルをつないでいないとき電話がかかってきて、慌ててケーブルを携帯電話につないで使うのがとても面倒」
「いつもケーブルにつないでないといけないのでは固定電話と変わらない」
など…
よし、先ずケーブルをなくそう!
携帯電話の快適さを取り戻すためには、やっぱりケーブルでつなぐんじゃなく、ワイヤレスで使えるようにしなくてはいけないって思ったんです。
ケーブルでつなぐと一人しか使えないけれど、ワイヤレスだと同時に複数の人が使える!
ビル地下のお店やオフィスなど「携帯電話が使えない場所」ではワイヤレスで複数の人が同時に使えるようにならないと全然意味がない。
それでは、使い方は「ワイヤレスにしよう!」
■どんなアンテナ?
前回まで、使えない場所の電波環境を大きく5種類に分類しました。【図1】参照
いずれの電波環境の改善にも共通する点は要約すれば
2. 干渉比を可能な限り低下させる(
Ec/Noの向上) こと。
ということで、特定の方向への感度をあげる(指向性利得のアップ)
指向性アンテナでいこう!

【図1】RSCP値とEc/No値と電波環境のカテゴリー
movaやauの800MHzと比べて、FOMAやボーダフォンの2000MHz(2GHz)帯の電波は、同じ距離を飛んでもおよそ1/6に減衰してしまうんですね。
それに直進性が強いため、障害物に弱いのです。
減衰が大きいからといって増幅して減衰分をカバーするような
違法ブースターは論外!
当然のことながら、電波法や関連の法規則に準拠したアンテナじゃないとダメ。
1. 電源を一切使わない
2. 増幅も一切行わない
3. 到来する電波に最適な指向性を確保して、より強い電波として受信するアンテナ
4. 受信電波の導波路としての同軸ケーブルと再放射アンテナだけのパッシブリピートアンテナ(電波法上、送受信機にあたらない)
携帯電話・スポットの広さは電波の環境や携帯電話の周波数、アンテナの特性などのさまざまな要素によって変化しますが、そのあたりもこのブログで取り上げていこうと思います。
■対象とする電波環境は?
まずは、電波が弱くて使えないような(弱電、弱電干渉、弱電圏外)環境を対象にしました。
具体的にはビル地下の店舗やオフィスです。
■対象とする携帯電話
ドコモのFOMA、vodafone3G(2GHz帯)とau、ドコモmova(800MHz帯)です。
今回開発を目指すアンテナのポジションはこのような感じです。
【図2】【図3】
【図2】開発するアンテナのポジション
【図3】携帯がつながりにくい場所
その後、高層マンションを対象にしたアンテナも追って進めたいと思っています。
高層マンションのユーザーとビル地下の店舗やオフィスユーザーでは、ニーズや求めるベネフィットも違いますから…
ビルオーナー、地下のお店、その他の協力を得て、まずはFOMAが使えないビル地下で実験を行ないました。
次回から数回にわたり、ビル地下FOMA編「携帯電話・スポット・アンテナのBefore−After」としてレポートします。
※ 補足説明
周波数
電波は電気の波のことで、1秒間に繰り返す波の数(振動数)のことをヘルツ(Hz)といいます。その振動する波の山と山の時間あたりの数が多い(周波数が高い)と電波は飛びにくくなります。FOMA(2000MHz)がmova(800MHz)に比べて電波が入りにくいのは、周波数に関係していることがいえます。
パッシブリピートアンテナシステム
アンテナから受信した電波を同軸ケーブルを使って伝送する、その際に増幅等の力を加えることなく伝えるシステム。図の様に入射アンテナと再放射アンテナの組み合せたアンテナ。
【図】パッシブリピートアンテナ
RSCP (希望波受信電力)Received Signal Code Power 基地局からの受信電力の値で端末は一番強い受信電力の基地局(以下最勢力局と呼ぶ)と通信します。
その時に移動機が受け取る受信電力の値
Ec/No (最勢力局のRSCPと全受信電力の比)
携帯電話は各基地局との通信において基本的に1つの基地局と通信します。通話に使っている希望波とその他の受信電力との比。例えば基地局が近く電波の強度の強いところで通話をしていても、近くに別の基地局があり、かつ同程度のレベルの電波が飛んできていればEc/Noの値は悪くなります。逆に電波の弱い山中で通話をしていても、他の基地局の電波が飛んでいなければEc/Noの値は良くなります。