電波感度をよくするケータイ・スポット・アンテナの開発Blog

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タワーマンションでの実験

2005.09.26

山の中、地下室、高層マンション高層階では携帯電話の電波がよくなく、通話がつながらなかったり、音声が途切れたりするようです。そこで、そういう場所でアンテナの実験することになりました。
 
【タワーマンションの高層階】
まず、建築中のタワーマンションD’グラフォート三宮(地上43階建て【高さ約152m】兵庫県神戸市)に特別にお邪魔させていただくことになりました。
高さでいうと、東京タワーの大展望台部分相当の高さになります。
建築中であり、エレベータは無く、建築用ゴンドラにて42階まで上がることができました。
その場所で、各社の携帯電話を発着信させ、接続成功率と音質を確認しました。
42階部分での通話実験
東側ベランダで測定、地上約140mから携帯の基地局を探そうとしましたがあまりにも上からの眺めなので確認できませんでした。
【発信テスト結果】
接続率=発信と着信をそれぞれ10回行った時の成功率
NTTドコモmova 接続率:60% 
アンテナピクト表示:圏外〜3本
品質:通話時接続しても切断してしまう。
途切れもひどく音質が悪い。通話が切断する時と着信が失敗する時には圏外表示になっていた。
 
NTTドコモFOMA 接続率:75% 
アンテナピクト表示:圏外〜2本
品質:接続はするが音の途切れ、再接続動作を頻繁に行っている。かろうじてつながっているときの音質は良い。
 
au cdma1X 接続率:100%
アンテナピクト1本〜3本
品質:接続に時間はかかるが(プップップッ音が15秒以上かかる)接続する。音質は途切れ、音質劣化があるものの切れることは少ない。なんとかつながるといった感じであった。
 
Vodafone 接続率:90% 
アンテナピクト表示:1本〜2本
品質:接続時に、音の途切れや雑音が感じられた。接続するまで時間がかかる時があった。
 
Vodafone 3G 接続率:40% 
アンテナピクト表示:圏外〜1本
品質:ほとんど繋がらない。途切れが多く声が聞き取れない状態であった。
 
42階での携帯電話の使用感は、発信時はおおむね各キャリアとも接続までの時間がかかりました。特にauは15秒以上かかり、急いでいるのになかなかつながらないといったことになりました。ドコモmova/FOMAやVodafone3Gの様に接続率が悪いと大事な人から着信せず、使いたい時に発信ができないといったことになり、快適にとは程遠い感じがしました。
 
18階部分での実験
東側ベランダで測定、地上約60mから、基地局を真上から確認できました。(携帯会社は確認できませんでした)
NTTドコモmova 接続率:40% 
アンテナピクト表示:圏外〜3本
品質:接続するのに時間がかかり接続してもすぐに切断、音質劣化が最もひどく、電波の干渉が顕著に表れ、今回の実験では最悪。着信が失敗する時には圏外表示になっていた。
 
NTTドコモFOMA 接続率:100% 
アンテナピクト表示:圏外〜3本
品質:つながるが20秒くらいで音質劣化し切断してしまう。
 
au cdma1X 接続率:100%
アンテナピクト2本〜3本
品質:接続に時間がかかる(15秒以上)がつながってしまうと安定する。
 
Vodafone 接続率:90% 
アンテナピクト表示:2本
品質:発信に時間がかかることもあるが普通につながる。
 
Vodafone 3G 接続率:100% 
アンテナピクト表示:1本〜2本
品質:問題なく通話ができた。
 
18階での使用感は、ドコモのmovaが電波の調子が悪く、つながる時とつながらない時があり、音も非常に良くないと感じました、FOMAでは接続はするが音が途切れて悪くなり通話中に切れてしまいました。Vodafoneやauはこの場所では基地局のロケーションが良かったため、接続ができたと考えられます。
 
時間帯、天候、端末の状態や地域によって上記の結果がすべてではありませんが、全体的に通話品質は良くないと感じました。
 
【測定機による測定結果】
アンリツ製W−CDMAエリアテスターでFOMAの電波を測ってみた
(届いている電波の各値を強い順に4つ測定)
42階部分                   18階部分
  RSCP値【dBm】 Ec/No値【dB】       RSCP値【dBm】 Ec/No値【dB】
1) -85.3        -14.4          1) -71.9        -17.3
2) -87.7        -16.8          2) -74.4        -19.8
3) -88.5        -17.6          3) -75.9        -21.3
4) -91.0        -20.1          4) -78.0        -23.4
 
であり、特に電波が弱いわけではないけれども-85〜-90dBmのRSCP値の電波が複数届いています。携帯電話はその中でも常に最も高い値のRSCPの持った電波をつなごうと電波を切り替えます。その結果、Ec/Noの値が悪くなり途切れなどが発生していました。
18階では複数の強い電波が到来しています。また42階の時よりも電波が強いため、同じような電波がたくさん届き不安定な動きになります。このような現象を干渉といいます。
 
42階のベランダでは最大のRSCP値が-85.3dBm
 
 
【丘陵地にある住宅街】
大阪平野が一望できる生駒山系にある住宅地路上にて測定
タワーマンションでは複数の電波が強く届き干渉しているような状態になっていましたが、同じ高い所でも丘陵地にある住宅街ではどうでしょう?
FOMAにて実験を行いました。
アンテナピクト表示:圏外〜1本
圏外が表示しないときに発信しました。すると、通話は可能ですが途切れたり無音になってしまい、最後に通話が切れてしまいました。住宅地の路上でこのような状態ですので、部屋の中だとさらに環境が良くないと想定されます。
 
RSCP-100【dBm】以下 Ec/No-15【dB】以下
受信電力が低くEc/Noの値も良くない結果であった。
電波も弱く干渉もしていた。
 
【地下通路および地下駐車場】
大阪市内の高層ビルの地下駐車場にて測定
携帯電話の表示は圏外でもちろん発信もできませんでした。
 
RSCP値 -120【dB】以下 Ec/No値 -25【dB】以下 
電波が届いていないことがわかった。
 
【考察】
「携帯が使えねぇ〜!」といった所では、電波が弱いから使えないとは限らず、電波が十分に届いているにもかかわらず使えない時もあります。それは干渉していたりする原因もあります。
測定結果より
干渉→高層マンション18階
弱電干渉→高層マンション42階
弱電→丘陵地にある住宅街
圏外→地下通路および地下駐車場
 
 
地下通路および地下駐車場でのレポートを次回のブログにて報告したいと思います。
 
また、このブログに関する意見、電波が繋がらなく困っている方の現状やエピソードなどのコメント大歓迎です。
 
※補足説明
RSCP  (希望波受信電力)
基地局からの受信電力の値で端末は一番強い受信電力の基地局(以下最勢力局と呼ぶ)と通信します。
その時に移動機が受け取る受信電力の値
 
Ec/No(最勢力局のRSCPと全受信電力の比)
携帯電話は各基地局との通信において基本的に1つの基地局と通信します。通話に使っている希望波とその他の受信電力との比。例えば基地局が近く電波の強度の良いところで通話をしていても、近くに別の基地局があり、且つ同程度のレベルの電波が飛んできていればEc/Noの値は悪くなります。逆に電波の弱い山中で通話をしていても、他の基地局の電波が飛んでいなければEc/Noの値は良くなります。  
 
ちなみにRSCP値は-85dBm以上 Ec/Noは-10dB以上が一般的に良いとされている。

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